銀座にあるスペイン料理の名店、スリオラさんを訪問しました!コース料理にペアリングを付け、大満足の内容でした!!
スリオラとは?
言わずと知れた、スペイン料理の名店@銀座。
オーナーシェフの本多誠一氏が手掛けています。執筆時の2025年6月時点で、ミシュラン2つ星!食べログ評価は4.23!、Googleでは4.5と好評です。
公式HPには、本多シェフの経歴が載っています。
2002年、ヨーロッパのガストロノミー界で注目されていたスペインへ渡る
サンセバスチャンの「カーサ ウロラ」で4年間シェフを務め、日本とスペインの料理文化に共通点を見出す素材の豊かさや調理技法に触れ、スペイン料理への深い魅力を感じる(公式HP)
数年前にサンセバスチャンの「カーサ ウロラ」を訪問したことがあります。美食揃いのサンセバスチャンの中でも、ひとつ抜きんでている印象で、妻と「また行きたいね」としょっちゅう話題に上がります。
<当時の体験記はこちら>
外観・アクセス
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目8−7 交詢ビル 四階
東京メトロ銀座駅 A1・A2出口から徒歩3分と好立地です。
スリオラが入っている交詢ビルには、「赤坂璃宮」や「人形町 今半」、「銀座 玉ゐ」をはじめとした、選りすぐりの名店が軒を連ねています。
料理
今回は、「DINNER COURSE 〜ガストロノミー〜」(税込32,450円)のコースにしました。
「ガストロノミー」とは料理・ワインをはじめとする食事全般を、文化・芸術のレベルで捉えることを指すそうです。ハードルがどんどん上がりますね。
ドリンクメニューです。
ワインをはじめ、「モスト」(搾りたてブドウジュース。ワインの原液ともいえる)などの、スペインらしい飲み物が多いです。
今回は奮発をして、5杯のワインペアリング「5Vinos」(15,800円)もつけました!
ナプキンの上には、おしゃれなメニューが。
当店の料理は、スペインで学んだこと。人生で食べて、見て経験した事を料理にしています。”私の料理”を楽しんでください。
圧倒的な実力・実績に裏打ちされたコメント。プロとしての矜持が感じられます。
ワインペアリング①: チャコリ
注ぎ方が特徴的な、バスク地方名産の微発泡白ワイン「チャコリ(Chacolí)」。
フレッシュな香り・味わいを楽しむワインで、高いところから注ぐことで豊かな香りが広がります。
アルコール度数は9.5~11.5%。微炭酸と爽やかな酸味・辛味・ミネラル感が特徴です。1杯目には最適ですね。
生産量は多くないため、少し前まではそのほとんどが地元のバスク地方で消費されていましたが、最近は日本でも見られるようになってきました。
前菜
まるでミカンのような可愛らしい見た目をしたスペインのピキージョピーマンのピューレ。少しピリッとしたピューレと軽い食感の生地の相性が良かったです。
温かくサクサクな生地の中には、フレッシュなオリーブオイルが詰まっており、食感・香りを楽しめる逸品でした。コース料理への期待値が高まります。
1品目:3種のタパス(トマト ウナギ バカラオ)
「サルモレホ」と呼ばれる、トマトを主原料にしたスペインの冷製スープ。3品の中で一番初めに食べてくださいとのことでした。
トマトそのものを食べているかと思うほど、濃厚なトマトスープでした。中にはウニがふんだんに入っており相性もよく、贅沢な逸品でした。
ウナギの牛タンの「モンタディート」です(オープンサンドイッチ:パンの上に、食材を載せるタイプのサンドイッチ)。
蒸し焼きで甘さが凝縮されたウナギにはシェリー酒のソースが塗ってあり、その下には牛タンのタルタルが敷いてあります。
ウナギのフワフワ感と、牛タンの歯ごたえのコントラストが素晴らしいです。
「バカラオ」(塩鱈)がニンニクオイルで合わせてあります。チップスは米と海苔でできており、軽い食感と磯の香り高さを感じます。
ワインペアリング②:白ワイン
次のキャビア料理に合わせた白ワインです。
「マルコルタ」と呼ばれるブドウは、地中のミネラルを吸収しやすい特徴があり、潮っぽいミネラル感と香り高さが特長です。
2品目:軽く燻したキャビアとミルクのトリハ
お皿が運ばれてきました。期待値が高まりますね。
来ました!圧倒的存在感!!
本多シェフのスペシャリテ。キャビアはなんと、ブドウの枝で燻してあるそうです。塩味と燻製香のコラボが堪らないです。
「トリハ」とは、スペイン版のフレンチトーストのようなもので、ミルクがしみにしみていました。
3品目:真イワシのコカ
「コカ」とは、発酵させた生地のことで、スペイン風のピザのイメージです。手で食べるよう説明がありました。
卵でマリネした真イワシのツヤが凄いです。真イワシとコカの間には、ハーブのゼリーと、カンタブリア産のアンチョビがサンドしてあります。食感も味わいもすべて異なる4つの素材が、綺麗に調和しています。
料理の下には、ローズマリーがふんだんに使われており、香りもしっかり移っていました。
ワインペアリング③:ロゼワイン
栃木にある、ココ・ファーム・ワイナリーのロゼワイン。
赤ワインの原料として有名な「タナ」。フランス南部に起源をもち、なんと「タンニン」の語源になっています。タナの濃厚な味わいと、次のフォアグラ料理が合うそうです。
ロゼワインと言っていますが、しっかりとした香り・渋みがあり、飲み応えも◎です。
4品目:ペドロヒメネス香るビロードのようなフォアグラ
宝石のような素敵な料理ですね。
表面の黒いツヤツヤは、シェリービネガーを使ったゼリーです。
横から見ると綺麗な2層構造になっています。ゼリーの下には、甘口のシェリー酒で乳化させた、フォアグラが敷き詰められています。
甘み・酸味・旨味がそれぞれ主張しながらも纏まっています。更に、上からカカオ豆を散らすことで苦みのアクセントを加え、全体のバランスが取られている逸品でした。
ワインペアリング④:白ワイン
「ガルナッチャ・ブランカ」という白ブドウが使われています。
スペイン原産の白ワイン用品種で、果実味豊かでコクがあり、柑橘やハーブの香りが特長とされており、次のオマール海老や金目鯛に合わせられています。
5品目:オマールエビのモホソース 花ズッキーニとキュウリのサラダ
「モホソース」とは、スペイン・カナリア諸島発祥のソースで、トマトやパプリカ、スパイスなどを使ったソースで、ジャガイモに付けて食べられることが多いそうです(それをオマール海老に!)。いかにもパンチが強そうなソースですが、炭火で焼き上げたオマール海老の味わいは全く負けていませんでした。
ブリンブリンの歯ごたえ、エビの強烈な旨味に大満足でした。
花ズッキーニとは、いわば、ズッキーニの赤ちゃんのようなもので、柔らかな歯ごたえが楽しいです。アサリの泡と共に、箸休め的に楽しんでくださいとのことです。人生で一番おいしい泡でした。
6品目:金目鯛のスッケ
「スッケ」とはスペイン・カタルーニャ地方発祥のブイヤベースのような魚介スープです。銚子で獲れた鯛の表面を炭火で炙り、中はレアで仕上げられています。下にはパセリを使ったオイルが広がっています。
絶妙な火入れで、パリパリとフワフワが共存し、鯛の旨味がしっかりと閉じこめられています。泡状のスッケによる魚介のサポートも強力です。
ライムギのパンの香りがよいです。オリーブオイルと自家製のホイップクリームと合わせます。
ワインペアリング⑤:赤ワイン
「モナストレル」というスペイン原産のブドウが使われております。苦みを伴った力強い旨味が、次の肉料理との相性が抜群です!
7品目:黒毛和牛の炭火焼き
炭火で焼かれた山形牛に岩塩がかけられたシンプルな逸品。下にはシェリービネガのソースが敷かれています。
ホワイトアスパラガスは軽く卵をくぐらせて揚げられ、グリーンオリーブの爽やかなソースと合わせられています。
見た目の対比も美しいです。タイプの違うジューシーさを見せつけられました。
8品目:ミルク(アイス、ムース、ドゥルセ デ レチェ)
目を惹く大きな葉は、桜の葉を塩漬け・乾燥してパリパリにしたもの。
「ドゥルセ デ レチェ」とは、スペイン語でミルクのお菓子という意味だそうで、まるでキャラメルのような濃厚なミルクソースでした。
桜の葉は崩して楽しんでくださいとのこと。スプーンで軽くたたくだけでバラバラになるほど、パリッパリに乾燥されていました。塩味・甘みが見事に調和しています。
9品目:自家製チョコレートと食後のお飲物
コース料理を締めくくるのは、スリオラの自家製チョコレート達です。
左から、ガナッシュチョコ(周りについているのはケシの実)、ボンボンチョコ、黒糖をつかったチョコ、ブラウニーチョコ。どれも絶品でした。
コップに入っているのは、カカオの殻で作った茶です。甘みも感じられました。
さいごに
料理・ワインの組み合わせがとにかく美味かったです!
今回は、「DINNER COURSE 〜ガストロノミー〜」(税込32,450円)のコースに、5杯のワインペアリング「5Vinos」(税込17,380円)を付けたので相応のお値段がしましたが、銀座の一等地で素敵なスペイン料理を楽しむには、かなりお得だと思います!
銀座でスペイン料理を探される際は、是非スリオラを検討してみてください!