【ロンドン観光】旧王立海軍学校「ペインテッド・ホール」②

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最後の冬は、山羊座・水瓶座・魚座が描かれています。

なお、冬の場面で描かれているのはギリシャ神話の冷たい北風と冬をもたらす神ヒームス。

ヒームスのモデルとなっている男性がいます。それは、海軍退役軍人のジョン・ウォーリー。居住施設としてのペインテッドホールを、長年利用していた年金受給者なのだとか。

 

ペインテッドホールは、海軍兵の宴会で使用されていたということもあり、

高さ18メートルという天井にもかかわらず、食べ物やタバコの煙が絵画にこべりついていたそうです。(近代の修復作業で発覚)

 

 

 

中央絵画の四隅には、古代ギリシャの哲学で提唱された世界を構成する四つの要素である四元素が表現されています。

「風」「土」「水」「火」の四つを指します。

 

風、大気の女神とされるユノが描かれている部分は、「風(大気)」を表しています。

藁でシャボン玉を吹いている天使も描かれています。

 

 

ローマ神話の豊穣の女神であるケレースが描かれている部分は、「土」を表しています。

果物・野菜といった農産物をかご一杯に掲げています。

 

ローマ神話における海の神ネプチューンが描かれている部分は、「水」を表しています。三叉槍を持っていますね。

 

古代ローマ神話のユピテルが描かれている部分は、「火」を表しています。

王冠を手に持っています。

 

 

 

続いて、ホール東側の天井画

中央には拿捕されたスペインのガレオン船。

1704年に、スペイン南海岸の半島地にあるジブラルタルを、イギリスが占領したことを表現しています。以降、地中海におけるイギリスの重要な戦略的拠点となります。

 

ガレオン船の左下に描かれている、黒い服を着た男性は天文学者のコペルニクスを、下部に描かれている女性たちはテムズ河をはじめとするイングランドの川を表現しているのだそうです。

 

 

三日月が頭についている右上の女性は女神ディアナ。

 

 

さらに右下に描かれているのは、イギリスの天才天文学者であるジョン・フラムスティード(John Flamsteed)。隣に助手が立っています。

グリニッジ天文台初代台長で、グリニッジ子午線からの星の位置を観測し、1666年と1668年に起きた日食を正確に予言したことで有名です。

垂れ下がっている巻物(白い紙)には、4/22と日食日時の予測が記載されています。

 

地球儀や定規を持つ人物も描かれており、経度を計測したりと、天文学が航海に役立つ技術であること。

そして、その天文学・科学の進歩により支えられた航海技術・海上権力により、イギリスの富と安全が築かれているということがよく表現されています。

 

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