【見どころ紹介!】『新アクロポリス博物館』に行ってきました|アテネ観光

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ギリシャ・アテネにある「アクロポリス博物館」に行ってきました。

アテネのアクロポリスから発掘した文化財を、収蔵・展示している考古博物館です。パルテノン神殿の彫刻群を展示したパルテノンギャラリーは壮観!

見どころ、チケット入場料、所要時間、お土産など、写真と共に紹介します!

 

新アクロポリス博物館

ギリシャ・アテネにある「アクロポリス博物館Acropolis Museum)」。アテネのアクロポリスから発掘した文化財を、収蔵・展示している考古博物館です。

2009年に開館した博物館で、かつてのアクロポリス博物館(旧アクロポリス博物館)と区別するために、「アクロポリス博物館」と呼ばれたりもします。

旧アクロポリス博物館は、パルテノン神殿の南東に建設されました。

アクロポリスの斜面に建てたということもあり、建物の面積は800平方メートルしかありませんでした。すると、発掘作業が進むにつれて、出土した文化財を全て収蔵するには足りなくなり、さらに、大勢の来館者に対応できないという事態に(;’∀’)

そこで、新しい博物館の建設の必要性が出てきます。

 

また、新博物館建設の理由にはもう1つ重要なものがあり、それは

イギリスが、ギリシャのアクロポリスから持ち去った彫刻像群「エルギン・マーブル」。それらの返還をギリシャ政府が要求した際、

貴重な文化財がイギリスに集められたことで、学術的な研究が進み、適切な方法で保護・管理・展示されてきました。たとえ返還しても、ギリシャにはそれらを展示するに適した博物館が無いでしょう?(言_言)

じゃあ、ちゃんと展示できる博物館、作ったりますわ!!(# ゚Д゚)

新博物館建設には「大英博物館などから、オリジナルを返還してもらい展示する」という、ギリシャ人の悲願を達成するという大きな目的もありました。

 

かくして建設されたのが新アクロポリス博物館。

総面積は25,000平方メートル。1万4000平方メートルの展示スペースに、4000点ほど展示可能です。

当初の計画では2004年のアテネオリンピックにまでにオープン予定でしたが、住民の立ち退き拒否、景観問題などの反対運動のため、予定より大幅に遅れ、2009年にオープンしました。

隣のヨーロッパらしい建物と比べると、かなり近代的な建築ですね。

 

 

場所・アクセス

地下鉄の「アクロポリ駅 (Acropolis)」が最寄駅です。駅からは100mほど歩きます。

駅には展示品が。

パルテノン神殿のフリーズについていた彫刻群(ペディメント)のレプリカです。こちらのオリジナルの一部は、大英博物館で展示されています。

↓ロンドンの大英博物館で展示されている「パルテノン神殿彫刻群」

妻ゆーこ
妻ゆーこ

「返還して!」って言ってるギリシャがかわいそうになってきた(;’∀’)

こちらのアクロポリス駅がある地域は、かつて墓地として使用されていたそうです。そこで出土した埋葬品や、家庭用品、貯蔵瓶などが展示されていました。

博物館へ行くために駅で下車した観光客は、駅からもうワクワクしてきますね!

 

チケット料金・所要時間

チケット料金はシーズンにより異なり、夏季は15ユーロ、冬季は10ユーロです。

希望日入場時間のスロットを、9~12時、12~14時、14~16時、16~18時、18~20時から選びます。

チケットを当日購入することもできますが、チケットカウンターで並びたくないため、事前に公式サイトで予約して行きました。公式サイト<https://www.theacropolismuseum.gr/

チケットカウンターには行列が。団体観光客・学生さんの社会科見学などの、団体も多くフロアは混雑していました。

 

所要時間は、ざっくりと観て回るならば1時間半ほど、解説を読みながらじっくりと観て回るならば3時間ほどでしょうか。

 

 

注意事項

大型の荷物は持込み不可です。一般的なサイズのリュックサックでさえ、ロッカーに預けるように、と言われてしまいました。

そして、荷物預け受付も行列ができていました。

 

写真撮影はOK。ただしフラッシュ撮影・三脚使用はNGです。

写真撮影にはもう1つ重要な注意点があります。

それは「彫刻像などの展示品と同じポーズをとって、写真撮影をしないこと」。”同じポーズをとることは、展示品への冒涜にあたる”と考えられているためです。

彫刻像はどれも偉大なギリシャ神話の神々だったりしますからね…冒涜にあたると思われるような行為は控えましょう(*_*)

 

 

見どころ

女神アテネ像

ギリシャ・アテネに来たならば、ぜひ見てみたいアテネ女神像。女神アテネは、アテナイの守護神です。

紀元前430頃、古代ギリシャ時代に建設された神殿「パルテノン神殿(the Parthenon)」は、守護神女神アテナを祀るためのものです。

アテナは男の神と結婚せず生涯処女(パルテノス)でいたことから、パルテノン神殿と呼ばれたそう。

アクロポリスのアテナ古神殿の破風を飾っていたものだそう。

真っ白なマーブル像をイメージしていましたが、古代ギリシャ彫刻は色が塗られていたそうです。まだ少し色が残っています。

大英博物館で展示されている、オリジナルの像たちが白いのは、大英図書館職員らが清掃作業で表面を強く研磨したせいだそうです。この事件は、返還を望むギリシャ側の反発を増す要因にもなっているとか。

 

 

5体の少女の姿「カリアティード」

 

アクロポリスのエレクティオン神殿(Erechtheion)の少女の姿の柱像「カリアティード」。

このように、6人の少女が屋根を支えています。美しい女性像を柱にするというのは、なかなかに奇抜なアイデアですね(;’∀’)

 

6本あるオリジナルの像のうち、5本はアテネにある新アクロポリス美術館に、1本はロンドンにある大英博物館に保存されています。

前列右側のスペースが空席になっており、大英博物館から返還されたらすぐに埋め込めるように展示されています。もう一人の少女を待ちわびているように見えてきます。

 

地下にある遺跡

 

実は、新アクロポリス博物館の地下には、考古学的に貴重な遺跡があります。こちらも見学可能です。

博物館の建設を進めてから、発掘調査により遺跡があることがわかりました。そのため、遺跡を残した上で、その上に博物館を建設することに。

柱を立てその上に建物を浮かせるという方法で建築。ちゃんと地震にも耐えうる免震設計になっているそうです。

 

1階の床はところどころ透明のアクリルガラスになっており、床の下の古代遺跡が見えるような造りになっていました。まるで遺跡の上を歩いているようです。

 

遺跡発掘現場の上に、このような近代的な建物がある状態なのですね。

 

 

パルテノン神殿のギャラリー

3階にある「パルテノンギャラリー」。

ここには、実際のパルテノン神殿と同じように、同じ比の長方形の形で大理石の彫刻群・石板などが展示されています。

大きなガラス窓からは、わずか300メートル先に本物のアクロポリス・パルテノン神殿が見えるようになっています。

展示品たちは、実際のパルテノン神殿の元あった場所に位置するように、展示されているそう。つまり、本物のパルテノン神殿と見比べて、なにがどの場所にあったかをイメージしやすいような造りになっているようです。

実は、この素敵な展示方法、ロンドンの大英博物館が展示している手法と同じなのです(;’∀’)

略奪した文化財を広々としたスペースで豪華に展示。本家ギリシャのアクロポリス博物館より、見ごたえあるのが悲しい( ;∀;)(笑)

妻ゆーこ
妻ゆーこ

どうか返還してあげてほしい…

財政破綻したことがあるギリシャ。観光業は、国の主力産業の1つなので文化財はぜひ返還してもらいたいところ…(;’∀’)

とはいえ、大英博物館側も、パルテノン神殿の文化財は博物館の目玉展示品です。ギリシャに返還すれば、それこそロゼッタストーンをエジプトに返還する必要が出てきたりと、キリがない…。返還できない理由もわからないでもないです。

 

 

パルテノン神殿の上部に取り付けられていた石板「メトーブ」。

損傷・略奪された部分は、真っ白なレプリカで埋められています。オリジナルが変換されたら、すぐに埋め込めるようになっています。

 

パルテノン神殿の歴史が分かる映像が、上映されていました。

パルテノン神殿は、戦争で爆破されたり、略奪にあったりと散々な目にあいましたが、努力の甲斐あって現在はこのように展示できるようになったと。修復・管理の方法なども紹介されていました。

「エルギン卿たちは、このようにのこぎりで切り取り…」

「運搬中に2つに割れてしまい…」

「このようにロンドンまで運んだのです!」

ところが、運んでいた船が嵐にあい座礁。貴重な文化財は海に沈んでしまいます。

「すると彼は保身のために『価値あるものではありませんよ。』と嘘をついたのです!ひどい!」

特にビデオの中では「略奪したイギリスがいかにひどいか」ということが、繰り返し強調されておりました(;’∀’)

これからも文化財返還活動は行っていくと。

妻ゆーこ
妻ゆーこ

頑張れ!ギリシャ!( ;∀;)

 

イギリスのエルギン卿が持ち去った彫刻像群は「エルギン・マーブル」と呼ばれ、大英博物館で立派に展示されています。

 

古代ギリシャ文化財の返還は、ギリシャ人にとっていかに重要なことかをわからせられます。

ギリシャの政治家が政策の1つとして「パルテノン神殿の彫刻を大英博物館から返還させること」を挙げる国なだけはありますね…。

 

パルテノン神殿の西側の上部ペディメント部分の、彫刻像のレプリカ。以前はこのようになっていたのですね~

こちらが原寸大サイズ。

中央部分には、女神アテナとポセイドンの像。アテネの守護神の座をかけて競い合ったという場面を表現しているようです。

この時、女神アテナが植えたとされるオリーブの木。現在のアクロポリスにもオリーブの木がありました。

 

パルテノン神殿の彫刻像や石板をじっくり見ていると、

妻ゆーこ
妻ゆーこ

あれ…これどこかで一度見たような気がする??

妻ゆーこ
妻ゆーこ

あ!!大英博物館で本物を見たことがある!

大英博物館のメトープ(石板)がこちら↓

ケンタウロス(半人半馬の種族)が、人間のラピテース族(神話に登場する、ギリシャ北部の民族)と戦っている様子が表現されています。

詳細は大英博物館のブログ記事にて↓

 

他の展示品も…

大英博物館の「セレネの馬」がこちら。

ロンドンの方が、本物を見ることができるという(笑)

ロンドンに住んでいると、こんな贅沢な見比べができてしまうのですね…。贅沢なアハ体験でした。

 

 

その他、像・彫刻

アクロポリスから出土した彫刻や陶器などの遺物が、数多く展示されています。

高い天井とガラス張りの外壁からさしこむ自然光。たっぷり広々とスペースを使っており、まるで実際の遺跡を見て歩いているようです。それぞれの展示品の魅力が引き立っています。

 

エレクティオン神殿のジオラマ。現在は崩れてしまっている部分まで、精巧に再現されています。

 

グッズショップ・お土産

ショップには、おしゃれでハイセンスな商品・お土産がたくさんありました!

パルテノン神殿のペーパークラフト。屋根の縁の部分は、あざやかな赤色・青色だったんですね。

パズル・絵本などの子供向け商品も。

 

パルテノン神殿の西側のフリーズの、10分の1スケールのレプリカ。

細部まで表現されています。まるで、エルギン伯爵が持ち去ったエルギン・マーブルのように、持って帰ることができるのですね。

 

個人的には、こちらのネクタイが可愛かったです!

古代ギリシャ人の服装のように、人形にネクタイを巻いているのが最高ではありませんか。当時の古代ギリシャ人も1枚の布を上手に巻いて、あのような服装になっています。

ネクタイの柄は、フクロウや有名な像のイラストです。

 

4階のテラスからは、アクロポリスが見えます。隔てる高いビルなどが無いから、綺麗に見えますね。

4階にはカフェもあります。この絶景を眺めながら飲むコーヒーは格別です。

 

外の庭には、なぜか亀が何匹も日光浴しておりました。飼っている亀なのか、野生の亀なのかはわからず(;’∀’)

 

以上、アクロポリス博物館の旅行記でした。ここまで読んでいただきありがとうございました!

 

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