ロンドンにある入場料金無料の「科学博物館(Science Museum)」
当時の蒸気機関が展示されていたりと、「さすが産業革命の発祥の地!」と思うほど、産業部門の展示エリアは充実しています。
そんな科学博物館の見どころを、前回記事に引き続き紹介していきます!今回は『蒸気機関編』です。
【Location】
Exhibition Rd, South Kensington, London SW7 2DD
科学博物館周辺のカフェや他の博物館など、科学博物館へ行くまでの様子は前回記事をご覧ください♪
評判の良いカフェやベーカリーがいくつかあるため、博物館見学の前後に行くのもおすすめです!
科学博物館(Science Museum)
サウス・ケンジントンにある、サイエンス・ミュージアム(Science Museum)。
イギリスのロンドンにある国立科学産業博物館(National Museum of Science and Industry)に属する科学博物館です。
地下1階から3階までの5つのフロアからなり、様々なテーマの展示をしています。
産業革命当時の蒸気機関や宇宙飛行関連の展示はわかりやすく(悪く言ってしまえばお子様向き感がある)、なかなか面白いです。
医療科学発展の展示エリアは、生々しい標本がずらりと並び大人向けの展示。子供から大人まで楽しめる博物館です。
展示ジャンルも展示面積もかなり広いため、大英博物館と同様、一から順番に観ていくよりも自分の興味あるジャンルのエリアに直行することをおすすめします!
科学博物館に到着しました。入場料無料ですが、オンラインで事前予約が必要です。
開演10時前には、すでに入場を待つ人々の行列ができています。
チェックインカウンターで、メールで送られたチケット(QRコード)をスキャンして入場します。
入場料無料とはいえ、寄付は大歓迎。館内のいたるところに寄付ボックスがあります。
フロアマップはこちら。1階は、イギリスでは0階(グランドフロア)です。
軽食が取れるカフェもあります。
天文学、気象学、生化学、電磁気学、航海学、航空学、写真など展示しているジャンルは多岐にわたります。
有名な展示品は、ガリレオ・ガリレイの望遠鏡、最古の蒸気機関車、グラハム・ベルの世界初の電話などがあります。
迫力ある映像を楽しむことができる「IMAXシネマ」(有料)、3Dディスカバリー・モーション・シアターなど、展示されているものを観て歩いてまわるだけでなく、体験型の展示もあります。
また、別途有料にはなりますが、特別展なども開催されています。
蒸気機関展示エリア「ENERGY HALL」
博物館に入り、1階(イギリスでは0階)でまず目にするのは「ENERGY HALL」。
最初の展示に「蒸気機関」を置いているあたり、さすが産業革命の発祥の地イギリスですね!
高圧エンジン、回転式エンジンなど様々な実物大のエンジン・模型が並んでいます。ガイドにある順番通りに見て回ると、時系列に沿って学べるようになっているようです。
トーマス・ニューコメンの蒸気機関
トーマス・ニューコメン(Thomas Newcomen)は、最初の実用的な蒸気機関を開発したイギリスの発明家兼技術者です。
この蒸気機関は真空と大気圧との差だけを利用しており、大気圧機関(Atmospheric pumping engine)と呼ばれます。
展示されているエンジンは1791年に制作され、1918年までなんと127年も働き続けたそうです!
1700年代前半まで、機械は水や風、動物(人間も含む)の筋力によって動かされていました。
1712年、ニューコメンが初めて実用的な蒸気機関を完成させ、これまでにない規模の動力を実現。ニューコメンの設計は炭鉱産業に革命をもたらしましたが、同時に化石燃料に依存する社会の始まりでもありました。
石炭が産業に多く利用されるようになったのは、蒸気機関のおかげだと言われています。
1700年代当初、地下深くの石炭発掘は、冠水により困難となっており、地表近い部分でしか発掘できませんでした。そこで、ニューコメンが開発したエンジンが活躍。
蒸気機関を使うことで、地下深くの坑道から水を効率よく組み上げることに成功し、地下深くに大量に埋蔵されていた石炭が発掘できるようになりました。
1800年には、世界の石炭の80%が英国で採掘されるようになったそうです。
動き方・仕組みを解説する解説動画もありました。