美しい吹き抜けの空間「グランド・ギャラリー(Grand Gallery)」。
ミレニアムクロック(The Millennium Clock)
1999年スコットランド製の、中世の大聖堂を模した高さ10m強のミレニアム・クロック・タワー。
複雑な構造のこのクロックタワーは、地下室、身廊、鐘楼、尖塔という4つのセクションで構成されています。
タワーの最下層にある「地下室」には、車輪と鎖が組み合わされた構造の中に、オーク材の「古代の精霊」と、カラフルでいたずら好きな「エジプト猿」の2つの像があります。
その上の「身廊」には、凸面鏡に跨る骸骨の死者の像が描かれた振り子があります。20世紀の最悪の一面を思い起こさせるものとしてレーニン、ヒトラー、スターリンも表現されている一方で、喜劇王チャップリンに似たキャラクターもおり、その時代の良い一面も表現されているそうです。
その上の「鐘楼」には、時計と12人の人物が輪になっており、暦の月を表すとともに、飢餓、奴隷、迫害など、人類を苦しめた苦難や悲劇を表しているそうです。クロックタワーの最上部「尖塔」には、死者を抱えた女性の像が立っています。
「The Typewriter Revolution」。特別展が開催されていました。
この特別展では、タイプライターの社会的な影響力や、社会、芸術、大衆文化におけるその役割に焦点を当てて展示されています。
初期の重厚なものから現代のものまで、100年以上にわたるタイプライターの進化をたどっています。
19世紀、タイプライターの前身となる筆記のための機械の多くは、視覚や聴覚に障がいのある人のために作られたものでした。
キーボードの代わりにダイヤルを回して文字を選び、レバーやキーを押して紙に印字するもの。個々人が文書を印刷することへの関心が高まっていたことがわかります。
1870年代に、アメリカからスコットランドにタイプライターが持ち込まれましたが、当時の平均年収の半分ほどの価格であったため、ほとんどの人が手が届かない高級品でした。
タイプライターがもたらしたのは、文字を書く速度を速めたというだけではなく、女性の雇用まで影響を与えました。
当時、女性が就くことができる仕事の中では、給与もよく、安全な労働条件も整っていました。
「Remington No. 2 typewriter」1887年
小文字と大文字を切り替えることができるシフトキーが特徴です。
「Typewriter, Maskelyne No. 3」 1893年
イギリス、ロンドンで製造されたタイプライター。2つのシフトキーと96文字のキーを備えています。
「ニューヨークのアメリカン・ライティング・マシーン社製カリグラフNo.4タイプライター」1895-1900年
1882年に発売されたカリグラフは、シフトキーは無く、小文字、大文字、数字、特殊文字に分かれたフルキーボードを備えていました。
廉価版タイプライター
1880年代以降、キーボード式タイプライターがオフィスに普及していく一方で、アメリカやドイツの一部のメーカーは、稼働部品が少なく安価なタイピングデバイスの開発に目を向けました。
キーボードの代わりにインジケーターやダイヤルを使って文字を選び、レバーやキー、ダイヤルのボタンを押すことで文字を印字するものでした。
QWERTY配列のキーボードに不慣れなユーザーにとって、より安価で軽く、シンプルなタイピングデバイスは、家庭用のニーズに応えました。
このようなタイプライターは1930年代まで製造されました。