イタリア・ベネチアの食文化、お手頃価格な立ち飲み居酒屋「バーカロ(Bacaro)」。
おすすめ・評判が良いお店、マナー、注文方法、ぜひ飲むべき現地のお酒、食べるべきおつまみなど、
実際に行ってきましたので写真と共に紹介します!
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立ち飲み居酒屋「バーカロ」って?
地元の人たちから愛される、ベネチア独特の食文化「バーカロ(Bacaro)」。
バーカロとは「気軽に安く、お酒を飲みながら軽く食べられる場所」のことです。日本でいうところの「立ち飲み居酒屋」でしょうか。お店のカウンターに立って、ワインやカクテルなどのお酒を楽しみながら、軽いおつまみを食べるお店です。
金額が安いのも魅力の1つです!10ユーロあれば、お酒とおつまみを楽しめます。
1つのお店に長居するのではなく、軽く食べて飲んで数件まわるのがベネチアスタイルの楽しみ方とのこと。はしご酒を楽しみましょう!
カウンターには、チーズ・ハム・魚介類・きのこ・揚げ物など、ワインにぴったりなおつまみがいっぱい並んでいます!
物価高騰を受けている現在でも、ワイン1杯、2ユーロ3ユーロほどと、ヨーロッパの飲食店とは思えないほどグラスワインが安いのも魅力的です。
朝9時から営業しているバーカロもあり、朝からワインをいただく朝呑みが楽しめます。
”水の都”、”アドリア海の真珠”などと呼ばれるベネチアは、イタリアの中でも人気観光地でたくさんの観光客が訪れます。
現在では観光客も利用するバーカロですが、もともとは地元の人たちが食事前に軽くワイン・おつまみを楽しむ場所でした。
サンマルコ広場といったベネチア観光の中心地近くのバーカロは観光客も歓迎してくれますが、中には現地のお客さんで賑わっていて入りにくいようなお店もあります。
ベネチアには100軒ほどのバーカロがあり、各お店によって、提供しているおつまみ・看板メニュー・軽食や雰囲気が違って、これもまた楽しいです。
バーカロで食べられるもの・飲めるお酒
バーカロではワイン・カクテルに合う、肉・魚・チーズなどのいろんな種類のおつまみが楽しめます。小ぶりサイズのちょっとつまめるこのおつまみは「チケッティ(cichetti)」と呼ばれるフィンガーフード。
バーカロは、パンの上に色んな具材をのせたものが売られていることが多いです。
カウンターには色んなチケッティが並んでおり、売れて皿が空になったらまた違う美味しそうなチケッティが補充されます。
ベネチアでは定番のおつまみ(チケッティ)である「バッカラ・マンテカート(Baccalà mantecato)」。ワインに合うような味付けの、干しタラのムースをパンに乗せたものです。
クリーミーなペースト状の干しタラで、フワフワとした食感です。定番かつベネチア郷土料理であり、各お店によって微妙に作り方が異なっているそうです。各バーカロのバッカラ・マンテカートを食べ比べしてみるのも楽しいですね♪
その他にも、「サルデ・イン・サオール(Sarde in saor)」という名のイワシ等の小魚の酢漬けや、「ポルペッテ(Polpette)」という名の揚げ団子・ミートボール、各種フライ、一口サイズのパニーニなども。
チケッティは1つからでも注文できますし、一度に10個も注文しているグループもいました。
ベネチア人は「オンブラ(Ombra)」と言って、ワインを注文します。オンブラは、手軽に味わえるハウスワインのことで、1杯2~3ユーロほどです。
ベネチアでぜひ飲みたい、地元のソウルドリンク「スプリッツ(Spritz)」。アペロールというリキュール(またはカンパリ)を、プロセッコと炭酸水で割った、オレンジ色が鮮やかなカクテルです。
イタリア北部では定番のお酒。少し甘く、炭酸水も入った上に氷も入っているおりアルコール度数もそこまで高くありませんので、暑い夏の日でもスイスイ飲みやすいです。飲みすぎ注意です。
アペロール(Aperol)は、イタリア北部で生まれたリキュールで、オレンジや、ルバーブ・キナ・ゲンチアナなどのハーブを蒸留酒に漬け込んで作ったお酒です。名前に「アペ」とついているように食前酒「アペリティーヴォ」のためのお酒。
オレンジの甘味・苦味とハーブのスッキリとした後味があります。変な甘さが無く、嫌な後味が残りませんし、食事の邪魔をしない味わいです。
シャンパン・カヴァと並んで、世界3大スパークリングワインの1つである「プロセッコ」もおすすめです。
実はプロセッコは、ベネチアがあるベネト州で作られています。ぜひベネチアのバーカロで飲むなんて贅沢な経験ですね(^^♪
バーカロのマナー・注文方法
バーカロは、本来は地元ベネチア人が軽く飲むための場所なので「1~2杯飲んで軽く食べて店を出る」というのが良しとされる使い方だそうです。
ベネチアには少し歩けばいろんなのバーカロがありますので、ちょっとずつ飲み食いしてバーカロ巡りするのがおすすめです!
バーカロに入る時には挨拶「Ciao!(チャオ)」または「Hello!」をお忘れなく。
イタリアでは、お店の店員さんへの挨拶は基本動作のようで、挨拶をしないと接客が無愛想になることもあるそう(;’∀’)
また、”ありがとう”の意味の「Grazie!(グラツィエ)」も覚えておくと便利だと思います。
イギリスのパブと同じように、キャッシュ・オン・デリバリー方式です。
カウンターで注文し、その場でお金を支払います。後でまとめてレジで支払うのではなく、注文する都度清算です。
入店したらカウンターにて、飲み物とチケッティ(おつまみ)注文し、その場で支払い。空になったグラスやお皿はその場に放置ではなく、カウンターまで持っていって返却しましょう。
バーカロは基本的には立ち飲みスタイルなので、店内のカウンター、もしくはお店の前に出て飲食してもOKです。
しかし、中には店内にテーブル・イスがあったり、外にテラス席があるバーカロもあります。テラス席は数ユーロのサービス料が必要なことも。その場合は、支払い時に店員さんが「スタンディング?」と確認してくれますので、お好きな方を選んでください。
おすすめバーカロ紹介【実際に行ってきました】
ベネチア観光の際に、バーカロを数件巡ってきました!
ベネチアには観光客だからぼったくられたなんていう口コミもあるバーカロもありますが、今回行ってきたお店はぼったくられることはなく、親切な接客で良い思い出を作ることができました(*’▽’)
チケッティやお酒、料金と共に紹介します。
【おススメ】Ostaria dai Zemei
独創性のあるチケッティが人気で、グーグルマップの口コミ評価も高いバーカロ「Ostaria dai Zemei」。
観光名所リアルト橋から徒歩3分の路地にあります。
店内もテラス席もお客さんで混雑しています。大人気で繁盛しているお店ですが、朝の8時半から営業という気合の入った営業時間です!
オステリア(Ostaria)は、ベネチア語で「ワインと簡単な食事を提供する場所」という意味。そして、店名に双子という意味の”Zemei”が名がつくのは、双子のフランコとジョバンニによって経営されているからだそうです。
店内にはたくさんの双子の写真が飾られています。
カウンターにはたくさんの色鮮やかなチケッティが並んでいます!どんどん売り切れていき、空になったらまた新しい美味しそうなチケッティが運ばれてきて補充されます。
「大人気だからチケッティが品薄だったらどうしよう」なんて心配をしていましたが、杞憂だったみたいです。
アンチョビやタラなどの魚類、ハムやサラミなどの肉類、香り高いポルチーニやチーズを使ったものなど、いろんなジャンルのチケッティがありますね(*’▽’)
カウンターで注文すると「スタンディング?」と聞かれました。テラス席に座るとなるとサービス料(Coperto)が別途かかるみたいです。店内で立ち飲みすることに。
スプリッツ(3.5ユーロ)とプロセッコ(4ユーロ)、チケッティが3つ(7ユーロ)。お会計は14.5ユーロでした。
ヨーロッパの飲食店とは思えないほど安いです!
ベネチアで定番のカクテル「スプリッツ」。オレンジの爽やかな香り、ほんのり甘く、すっきりとした後味です。オリーブが入ってました。
チケッティは一つ2~3ユーロ。生ハム、イワシ、干しタラの3種です。
写真右の白いチケッティが、ベネチアでは定番のおつまみである干しタラのムースが乗った「バッカラ・マンテカート(Baccalà mantecato)」です。
どれも信じられないくらい美味しかったので、追加でチケッティを2つ注文してきました。2つで4ユーロ。
左のエビマヨのチケッティには、甘くて味が濃いエビがこぼれんばかりに乗っています!そして右のクリームチーズとポルチーニ?のチケッティが最高に美味しかったです!ポルチーニ大好き私(妻)が今まで食べてきたポルチーニ料理ベスト3に食い込んできました。
チケッティがどれもこれも美味しくて、正直もっといろんなものを食べたりして長居したかったのですが、ベネチア式の楽しみ方をするため、サッと飲んで食べてきました。
観光客の私達に対しても店員さんは愛想良く、価格も良心的。楽しい思い出が作れました(*’▽’)後悔しないお店だと思います。
運が良ければ、ゴンドラを漕ぐゴンドリエーレと一緒になることもあるとか。
【魚が美味しい】Bar All’Arco
先ほどのバーカロ「Ostaria dai Zemei」から徒歩2分の距離にあります。この辺りはバーカロや立ち食い・テイクアウト専門のピザ屋など、評判の良い飲食店で賑わっています。
こちらも人気店。店の外まで行列ができていました!先ほどのお店より待ちました。
忙しいくてもフレンドリーで親切な接客サービスでした。多くの地元の人々に愛されているのも納得です。
店内の照明にかかっているのは、ベネチアお土産として有名なヴェネツィアンレースでしょうか。可愛らしいですね。
先ほどのバーカロよりは品数は少ないですが、こちらは魚介系のチケッティが多いようでした。
チケッティ4つで12.5ユーロでした。店員さんのおすすめをお任せで選んでもらいました。
先ほどのお店のチケッティのパンは、フランスパンのような触感でしたが、こちらのはラスクのような薄くサクサクした食感です。その分、上に乗っている具が盛りだくさんのように感じます。
干しタラのムース、燻製サーモン、ツナとアボカド、白身魚とイチゴ。どれも生臭みは無くとても美味しい!ワインに合います。
スプリッツは4ユーロ、白ワインは3ユーロでした。合計19.5ユーロ。
魚系のチケッティはこちらのバーカロがおすすめです!少し奥まった路地にあるバーカロにも関わらず、行列ができるお店なだけはあります。
以上、ベネチア独特の食文化「バーカロ」の紹介でした。
数々のバーカロや名物料理、地ワイン、そしてそこら中で立ち飲みしてる人々がおり、ベネチアの雰囲気を存分に楽しめるかと思います。
ベネチアに行った際は、ぜひバーカロ巡りを楽しんでください(^^)/
ここまで読んでいただきありがとうございました。