赤像式のボウル(紀元前460-450年ごろ)
2段にわたって、アテネの神話の場面が描かれています。
オリンポスの神々が最初の女性パンドラの誕生を見守る場面、パイプ奏者の演奏に合わせて歌い踊っている場面など。
スフィンクスの形をしたリュトン(酒器)(紀元前470~460年ごろ)
アテネの伝説の王である、上半身は人間で、下半身は蛇のような体のケクロプス(Kekrops)。台座には、彼の妻アグラウロスとサテュロスが描かれています。
トイレの箱(紀元前380~370年頃)
イタリアのカンパーニャ地方で制作された、ルヴェルの画家によるものとされています。
蓋には女性の座像とエローテス(Erotes)が描かれています。エローテスは、古代ギリシャの宗教と神話で愛に関連する翼のある神々で、アフロディーテの従者の一部とされています。
カンパーニャの赤像壺は、紀元前370年ごろから作られ始め、紀元前300年ごろまで続いていたそう。カンパーニャで活躍した画家は、紀元前370年頃のルヴェル画家を中心とする画家たち。
モニュメンタルな雰囲気はありませんが、形や描かれている絵はギリシャの要素があるようです。
ブロンズ製のリーベ(紀元前480年頃)
ワインと水を混ぜるためのブロンズ製のボウル。カンパーニャ地方で制作されたものです。
蓋の上には、騎兵に囲まれて踊る男女の像があります。ボウルには、ヘラクレスがカークス (Cacus、ローマ神話に登場する巨人の怪物)の牛を追い払う様子と、狩猟の遊戯の場面が描かれています。
黒像式、赤像式(黒い背景に赤い人物像)それぞれの絵付け方法・焼き上げる際に温度と酸素がポイントになることなど、細かい説明がありました。
モザイク画はローマ帝国の各地にあり、公共施設や民家などの建物を色鮮やかに飾りました。
石やガラスなどの小さな立方体(テッセラ)を合わせて模様を描いています。モザイク画の伝統は紀元前3世紀のギリシャで生まれたそうです。
イタリアでは白黒のデザインが多く、それ以外の地域では縞模様や幾何学模様、花模様などの多色モザイクが人気でした。
大英博物館の1階(グランドフロア)から上階へと続く壁には、トルコ、チュニジアなどの国のモザイクが展示されています。
噴水で水を飲む鹿(4~5世紀)、写真左
この場面は、生命の泉を象徴するものとして、初期キリスト教美術で人気を博しました。
丸と十字のパターンモザイク(4~5世紀)、写真右
イルカを従えてトリトンに乗る2人の海の妖精(2世紀ごろ)、写真上
トリトンは半人半魚で、ネプチューンの息子と言われる小海神。
釣り場風景(3~4世紀ごろ)、写真左下
幾何学模様の大きなパターンからなる正方形(3世紀ごろ)、写真右下
狩猟犬と対峙するイノシシ
他にもたくさんのモザイク画が展示されていました。近くで観ることができます。
金のオークリース(紀元前350~300年ごろ)
ダーダネルス海峡(トルコの海峡)で発見されたもの。金で作られた各枝には、8枚の葉と7〜8個のドングリ、セミがいます。
このようなリースは宗教的行列の際に着用するために作られていたそう。
紀元前5世紀末には、パナテナイア祭(古代ギリシアのアテネで行われていた最大の祭典)のコンテストの勝者に賞金と共にこのリースが贈られていました。
女性像の支柱を持つブロンズ鏡(紀元前510年ごろ)
アテネで作られたブロンズミラー。
アテネの女性は財産を持つことはできませんでしたが、身の回りの装飾品や身だしなみを整えるための道具は持つことができました。お墓に納められることが多かったそうです。