展示エリア
博物館に入ってすぐの所には、東京・ニューヨークなどの世界各地の路線図が描かれた大きな展示があります。
“Transport is the lifeblood of the city”
「lifeblood」とあるように、血管のように見える赤い路線が壁中に描かれています。
順路通りにいくと、3階にある「19世紀のロンドン」から始まるようです。
エレベーターで3階に向かう途中、エレベーター内の表示が、現代から1800年へと切り替わります!
3階に到着。19世紀のロンドンの交通事情を学べる展示があります。
コロナ禍ということもあり、感染予防が徹底されています。
としてソーシャルディスタンスを促す表示。バスの横幅ぐらい距離を保って、という交通博物館ならではのデザインです。
2人のチェアマンがポールに乗せて運ぶ椅子。17世紀に初めて導入され、1800年代初頭にはまだロンドンの街角で短距離の移動に使用されていたそうです。
日本の江戸時代まで使われていた、駕籠(かご)のようですね!
写真にある、ロンドン交通博物館に展示されているこの椅子は、1780年頃のものです。
一部の裕福な市民、上流階級の人間が使用していたとのこと。
椅子に乗っているマネキンは、ロンドン交通局のチーフ信号技師兼エンジニアリングディレクターを務めたレスリー・ローレンスがモデルになっています。
椅子を運ぶ人はものすごい表情をしていますね(;’∀’)
コフィン・キャブの模型
軽二輪で1人乗り用。パリで誕生し、1815年ごろからロンドンでも普及しました。
19世紀のロンドンの交通機関は馬に頼っていたものでした。
1805年のロンドンでは、1100人の駅馬車運転手が雇われていました。その免許がある運転手だけが、路上で客を乗せることを許可されていました。
駅馬車は市外への移動のための交通手段で、完全事前予約制。
当時、ロンドン中心部と郊外の町の間を、1日に600台超の駅馬車が走っていました。
1829年製シリベア・オムニバスのレプリカ
1829年、ロンドン初のバスとして誕生したシリベア社の馬車「オムニバス」のレプリカ。
オムニバスとは、ラテン語で「すべての人のために」を意味します。
オムニバスをパリからロンドンに持ち込んだのは、ジョージ・シリビアー (George Shillibeer)。
当初開発したバスは、3頭の馬が横一列に並んで引くものでした。しかし、ロンドンの曲がりくねった狭い路地運行できるよう、次第に2頭の馬で引っ張る小型のこのバスが使われるようになります。
運賃は決して安くはありませんでしたが、当時の既存の駅馬車に比べると安価なものでした。そして、従来の短距離馬車よりも速く、安全で、便利な交通手段でした。
駅馬車の模型
1820年頃の典型的な駅馬車。ロンドン中心部からの長距離・短距離移動に使用されたものです。
最初のオムニバスの模型
1829年にシビリアーが開発したロンドンのオムニバスは、車体が長く、車内に最大22人が乗れる大型バスでした。3頭の馬に引かせる必要があり、操縦が難しかったそうです。
ロンドン初のオムニバス路線、1829年
パディントン(当時ロンドン郊外の急成長中の村)からイズリントン経由でバンク・イングランドに向かう固定路線です。
車内で車掌にお金を払えば、路線上のどこでも乗り降りできる点も画期的なものでした。