エディンバラの中心地にあるスコットランド国立美術館。
ボッティチェリ、ラファエロ、レンブラント、モネなど
スコットランドのみならず世界中の、ルネッサンス期から20世紀初頭までの絵画を展示しています。
入場料・チケット料金は無料です。実際に行ってきましたので、写真と共に紹介します。
1859年に一般公開されたスコットランド国立美術館は、ルネッサンス期から20世紀初頭までのスコットランドと世界の美術品を展示しています。
ほとんどの絵画作品は、ロイヤル・スコティッシュ・アカデミーから移管されたものです。
古代ギリシャの神殿を模した建物は、スコットランド人建築家ウィリアム・ヘンリー・プレイフェア(William Henry Playfair)の設計によるものです。
1階、2階にかけて展示されており、のんびりと観て回って所要時間は1時間ほどでしょうか。
1階の入場してすぐのフロアには「Gothic and Renaissance」の展示エリア。
中世後期の伝統と高度に洗練されたルネサンスとの間で、ヨーロッパ美術は劇的な変化を遂げました。
その以前の時代の絵画は、ほとんどが宗教画で、キリスト教の祈りの助けになることを目的としていました。
ルネサンス期の革新は、自然や古代美術をより深く研究し、遠近法を応用することによって達成されたもの。画家は肖像画、文学や神話、アレゴリー、風景画、官能的な裸婦像など、描く対象を広げていきました。
サンドロ・ボッティチェリ 『眠るキリストと祈る聖母 』1485年頃
初期ルネサンス期のフィレンツェの画家ボッティチェリは、『プリマヴェーラ』や『ヴィーナスの誕生』など、ルネサンス期で最も有名な絵画をいくつか製作しています。
ボッティチェリの死後の評価は19世紀後半まで低迷していましたが、それ以降は、彼の作品は初期ルネサンス絵画の直線的な優美さを代表するものとして評価されています。
「眠るキリストと祈る聖母(The Virgin Adoring the Sleeping Christ Child)」は、
イタリアの画家フィリッポ・リッピの作品からヒントを得て、ボッティチェリが構図を考案し描いた作品。
当時はキャンバス画はまだ珍しく、キリストの子供が眠っている姿が描かれたキャンバス画はほとんどないそうです。子供が眠っている姿は、キリストの死を想起させるものと解釈されています。
また、描かれている薔薇は、旧約聖書の「ソロモンの歌」に由来する聖母の象徴である「閉ざされた庭」の美しい薔薇を想起させます。
「Cabinet Pictures」1560年 – 1700年
かつては、絵画の収集と注文ができるのは王侯貴族に限られていました。
写真の部屋に展示されているような、小さいものの完成度の高い作品には、大規模な市場が形成されていたそうです。家庭や書斎、画廊などで身近に鑑賞することができるようになりました。