【ロンドン観光】科学博物館(Science Museum)~蒸気機関編③~

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現在、私たちは「電気」を当たり前のように使っていますが、1800年代末は電気はまだ新しいものであり、『蒸気発電』は革命的なものでした。

 

1971年に稼働し始めたチェシャー州ウォリントンのフィドラーズフェリー発電所

 

電気の照明を使用する人々の増加に伴い、電力の需要も増加しました。

トーマス・エジソンは、1882年にロンドンとニューヨークに発電所を建設し、公共電力の供給を開始。

 

トーマス・エジソンの発電機

1881年のパリ万国博覧会に出品されました。

その後、多くの発電所が建設されていきます。

さらに、家庭で暖房や調理に電気が使われるようになり、電力需要が高まっていきました。工場では、電気モーターで機械を動かすようになり、鉄道や路面電車では電気牽引車が導入されていきます。

 

 

新しい蒸気機関

1884年、ピーター・ウィランズは「セントラルバルブ」エンジンの特許を取得しました。蒸気の流れを制御するバルブとエアクッションなどの新しい機能により、エンジンはさらに速く、静かに動くようになりました。

また、G・E・ベリスは、高速で運転するために可動部の周りにオイルを送る機能を利用したエンジンを製造しました。

これらのような新しいエンジンが、数多く製造されるようになりました。

 

さらなる蒸気機関技術の進歩として、チェールズ・パーソンズの蒸気タービンが発電のあり方を大きく変えようとしていました。

 

 

1890年代のウィランズエンジン

英国の発電所で使われる大型エンジンの3分の2が、このようなウィランズエンジンでした。

 

 

 

当初、発電所では、シリンダーの中でピストンが動く旧式の蒸気機関が使われていました。

しかし、その旧式エンジンの性能は最高でも1分間に500回転程度で、効率よく発電するには十分な速度ではありませんでした。

そこで、1884年、チャールズ・パーソンズ(Charles Parsons)は、1分間に18,000回転する新たな蒸気タービンを開発

パーソンズが考案した原理は、現在でも広く使われています。石炭、ガス、石油、核反応など、蒸気の発生させる資源はなんであれ、蒸気タービンは家庭や職場で必要な電力の75%をも供給しています。

 

 

パーソンズ社製ラジアルフロー型蒸気タービン(1891年)

このパーソンズ社のタービンと発電機は、1892年にケンブリッジ・エレクトリック・サプライ社のために設置された、3台セットのうちの1台。約30年間稼働したそうです。

 

蒸気タービンは、蒸気の大きな運動エネルギーを利用する、ピストンエンジンよりも効率が良いエンジンです。

タービンを高速回転させることで、旧来の蒸気機関よりはるかに効率よく電気を発生させることができます。

 

 

フォースバンクス発電所の75kWパーソンズタービン(1892年)

チャールズ・パーソンズの蒸気タービンを世界で初めて発電に使用した発電所です。

 

 

チャールズ・パーソンズ(Charles Parsons)

チャールズ・パーソンズはロンドンで生まれ、実家のあるアイルランドのパーソンズタウンにあるバー・キャッスル(Birr Castle)で育ちました。

パーソンズはそこで教育を受け、科学的な議論や実践的な実験が盛んに行われる環境の中で育ったそうです。

天文学に深い関心を寄せていたチャールズ・パーソンズは、反射望遠鏡を建設。かつて数十年物間、世界最大の望遠鏡として活躍していました。

 

 

世界初の蒸気タービン駆動船「タービニア」

チャールズ・パーソンズは、蒸気タービンは船の推進に最適であると考え、1895年に、史上初の蒸気タービン駆動の船「タービニア」を製作しました。

 

 

1891年の電気宣伝広告

電気の照明のイラストの下には、従来の照明であるロウソクが火が消えた状態で描かれています。

初期の電気照明は、必ずしも安定したものではありませんでした。故障したときのためにロウソクを常備していたそうです。

 

初期の電化製品や照明器具は危険なものだったそうです。

当時の電気洗濯機にはケースがなく、水がかかるとショートしたり、ヒューズが飛んだり、感電死することもありました。

 

 

1900年代に入ると、中流階級の人々の間では電気が使われるようになりました。

電気掃除機を使うメイド

 

 

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