入場料は18£。これは一年間有効なチケット(年間パスポート)になっています。
博物館は、地下1階から3階まであり、順路通りに行けば年代順に交通の歴史を学べるようになっています。
展示エリア
前回記事その①の続きからです。
当時、キャブ(タクシー)はバスよりも運賃が高いですが、その分、早く移動することができました。
レイノルズ社製キャブ、1846年
重量バランスをとるために運転手を後方の高い位置に移動させたものです。
1860年製のこのタクシーには、実験的な走行距離を計測するメーターが装着されています。
ロンドンでは1マイルあたりの運賃が決まっていたものの、距離は推定でしかないため、運賃をめぐって運転手と乗客の間で、しばしば口論が起こっていました。
1850年代、馬の飼料の価格が高騰し、バス業界の景気が悪くなり、次々と各バス会社が合併することになります。
ロンドン・ジェネラル・オムニバス社(London Genaral Omnibus Company, LGOC)も買収に乗り出し、1856年には、LGOCはロンドンのバスの4分の3を買収。
LGOCは世界最大のバス会社になります。
LGOCの株式目論見書、1855年
スティーブンソン社の馬上電車、1882年
ジョン・スティーブンソン社は、19世紀半ば、ニューヨークで数百人を雇用し、トラム(路面電車)の製造に注力していた会社です。
軽量化された先進的な車両は、世界中に輸出されました。
世界初の路面電車は、1832年に建設したニューヨーク・ハーレム鉄道です。
スティーブンソンはそれを何年もかけて設計を改良し、効率を上げ、重量を減らし、当初4頭必要だった馬を2頭にまで減らしました。
馬上電車の足元を見ると、鉄のレールが敷かれています。
石畳の道を走る鉄輪に比べ、鉄のレールを走る鉄輪は摩擦が少ないため、同じ頭数の馬でバスの2倍の人数を運べ、経済的で安い運賃で運べるようになりました。