ドイツ語で、「醸造所兼レストラン」のことを意味する「ブラウハウス(Brauhaus)」
今回はケルン(Köln)のブラウハウスを巡ってきました。ドイツビールだけでなく、美味しいドイツ料理まで提供するビアホールレストランのような感じです。
種類豊富なビール、創業数百年の歴史ある有名な醸造所、気になる料金・値段など、写真と共に紹介します!
ブラウハウス(Brauhaus)って?
ビール醸造所とそこに隣接するパブ、つまり醸造所兼レストランを、ドイツ語で「ブラウハウス(Brauhaus)」、または「ブラウエライ(Brauerei)」と呼びます。その醸造所でつくられたビールだけでなく、伝統的なドイツ料理も提供しています。
19世紀初頭、ビール醸造所が醸造所の前や中庭でビールを販売するようになり、そこ間に合わせのパブを作ったのが始まりです。現在の醸造所レストランへと発展していきました。
現在では、醸造所の隣接していないパブ・ビアホールでも、ブラウハウスと名乗っていたりするそうです。
ビールを運ぶための道具「クランズ(Kranz)」や、ビールをサーブするウェイターさん「ケーブス(Köbes)」、ビール樽からケーブスにビールを提供する役割の「ザップス(Zappes)」と呼ばれるウェイターさんがいたりなど、
伝統的なスタイルを継承しながら今日まで運営されています。
美味しい地元ドイツビールだけでなく、独特な歴史ある雰囲気・ブラウハウス文化を楽しむことができます!
Youtube動画でも紹介しています。
ビールの注文・おかわり・お勘定の方法
入店すると、ビールを飲むだけなのか、もしくは食事もするのかを聞かれます。(聞かれないこともある)
ビールだけを楽しむお客さんを入れるホールと、食事を提供するホールを分けているようでした。
また、この入店の際に、カード支払いが可能かどうかを確認することをおすすめします!古い伝統的なブラウハウスだと、現金支払い(キャッシュオンリー)の所もありましたので、ご注意ください(*_*;
注文のやり方は日本と変わりません。テーブルに座ると、ウェイターさんが注文を取りに来てくれます。ほとんどの場合、「ビール」というと問答無用でその醸造所のビールが出てきます。
ビールが提供されると、コースターに注文した内容がペンで書かれます。このコースターが伝票の役割を果たします。棒1本は、ビール1杯という意味のようです。
「アルトビールは鮮度が命!」そのため、キンキンに冷たいうちに飲み干せるよう、200~250mlの小ぶりな円柱グラスで提供されます。
日本と違う、注意する点は「おかわり」の方法です。
ビールグラスが空いてそのままにしておくと、「次!おかわりお願いします!」という意味だそうで、問答無用で次のビールグラスを提供されてしまいます!
わんこそばのような形式。飲みすぎ注意です。
「これ以上、おかわりいりません!」の意思表示をするには、コースターでグラスに蓋をします。
ビールのおかわりは自動なんて、さすがビール大国ドイツですね…飲む量が多いからその方が効率がいいのでしょうか(笑)(;’∀’)
最後のお勘定の際は、伝票代わりのコースターをレジに持っていきます。(レジが無ければウェイターさんを呼んでテーブルで会計する)
ちなみに、ドイツの法律では何歳から飲酒可能?
ドイツではビール・ワインの飲酒は16歳以上、蒸留酒は18歳以上から可能と決められています。
ブラウハウスで楽しくビールを飲んでいると、続々とお店の奥(醸造所)に進んでいくビール醸造所見学のツアー参加者の中に高校生らしき少年少女が。
びっくりして調べてみると、16歳からビールの飲酒が可能なのですね(;’∀’)
ケルンのブラウハウスを紹介
ドイツ西部の都市「ケルン(Köln)」。
人口約109万人で、ケルンの市街地はライン川の両岸にまたがっています。ドイツではベルリン、ハンブルク、ミュンヘンに次いで4番目に大きな都市です。
観光名所には、ケルンの街のシンボルであり、世界遺産である「ケルン大聖堂 (Kölner Dom)」や、チョコレートミュージアム、ヴァルラフ=リヒャルツ美術館などがあります。
そんなケルンにあるブラウハウスを紹介します!
前回記事、ケルンのお隣の都市「デュセルドルフ」のブラウハウス紹介はこちら↓
Brauhaus FRÜH am Dom(フリュー・アム・ドム)
「Brauhaus FRÜH am Dom(ブラウハウス・フリュー・アム・ドム)」は1904年創業のブラウハウスです。
年間生産量400,000ヘクトリットルを生産し、ケルンの醸造所の中では3番目に大きな醸造所です。”am Dom”は「大聖堂のそばの」という意味で、世界遺産であるケルン大聖堂から徒歩1分の場所にあります。
キャッシュオンリー、現金支払いのみなのでお気を付けください。
キャッチコピーは『Kölsche Gastlichkeit erleben(ケルンのおもてなしを体験できる)』というだけあり、店員さんは観光客にもとても親切でした。
第二次世界大戦では空襲を受けて本館が全焼しましたが、現在は修復。いくつか並んだ建物が中で繋がっているという構造で、館内は外から眺めるより広さがあります。
地下、1階、2階全ての席を合わせて1000席近く、夏季の屋外ビアガーデンも合わせると1200席以上もあります。
1階のモダンなレストラン「HOF 18」、150名まで収容可能なイベント会場「フリューラウンジ」など、フロアによりデザインや用途は様々です。
増築され、77もの客室があるホテルまで造られました。客室からは世界遺産である大聖堂が見えるそうです。
店の前には、噴水と花壇。
醸造所の隣には「Feinkosttheke」というショップがあり、フリューの自家製品・ソース・マスタード・グッズを購入することができます。
こちらフリューのケルシュビール「Früh Kölsch」を注文。200mlで2.1ユーロ(約280円)でした。
あっさり、エールのようなフルーティーな香りもある、日本の一般的なラガービールが好きではない人でも飲みやすいかと思います。
『Kölsche』(ケルシュ)とは、“ケルン“のという意味。
ケルシュビールは、エールを作る醸造方法である上面発酵酵母を使いながら、ラガーを作る下面発酵の製法=低温で長期間発酵させる、という製法で作られます。