【ロンドン観光】科学博物館(Science Museum)~時計編②~

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エドワード・イーストの時計,1650年

時計職人兼時計学者、そして金細工職人でもあったエドワード・イースト。イギリス国王チャールズ1世の時計職人でもありました。

1660年には「国王のチーフ・クロックメーカー」に任命され、94歳まで生きたのだそうです。

金色の文字盤に赤と青のエナメルが施された、3輪駆動の時計です。”Eduardus East Londini”というサインが入っています。

 

 

エドワード・イーストのトラベリングウォッチ,1650年

ヴァージ脱進機、金色の文字盤に彫刻が施された縁取り、銀色の時環。楕円形の穴あきコック、文字盤にネジ止めがついています。

”Eduardus East Londini”というサインが入っています。

 

 

 

イタリアの物理学者のガリレオ・ガリレイは、振り子が時を刻む性質を持っていることに最初に気付いたそうですが、

1642年に亡くなったため、振り子を時計仕掛けに応用する試みは頓挫してしまったそうです。

しかし、1657年になると、オランダの天文学者クリスティアン・ホイヘンスが振り子時計を設計。そしてオランダのハーグの時計職人であるサロモン・コスターが、世界初の振り子時計を製作します。

この振り子時計の発明によって、時計の精度は飛躍的に向上しました。

 

ロンドンのクロックメーカー”Ahasuerus Fromanteel”は、すぐさまサロモン・コスターの元に職人を送り込み、

1658年にはロンドンで振り子時計の広告を出すことができるようになりました。さらに、ロンドンの振り子時計を用いて、海上での経度を求めようとする試みも行われました。

 

 

 

イギリス時計製造の黄金時代

1666年頃~1700年頃、時計学と科学が融合して多くの重要な発明がなされ、フランスからの高度な技術を持った難民が流入し、ロンドン市場は活気づきました。

長くて正確な振り子を持つアンクル脱進機の発明、時計の宝石細工技術が向上するなどの発展がありました。

 

 

ジョン・フロマンテイル社製ロングケースクロック, 1668年

カウントホイールによる、打刻と動力維持機能を備えた8日間ムーブメントです。

 

 

エドワード・イースト作ロングケースクロック, 1675年

オーク材に柄の寄木細工を施したケースは、初期の2列式ムーブメントを収納するために改造されています。

 

 

 

ジェレミー・グレゴリーの時計, 1670年

外側は革で覆われ、金がちりばめられているペアケースの時計。

内側は円形のクリスタル、金メッキが施され、中央にエングレービングが施されたシルバーの文字盤があります。楕円形のコックを備えたヴァージ脱進機です。

エングレービング…版画の凹版技法のひとつで、ビュランという先端にダイアモンド様の固い刃のついたノミのような器具を使い、銅版に線を彫る。そして、その溝にインクを埋め、それを刷って作品にする版画技術

1665年に時計職人のマスターとなったグレゴリーは、「Jeremie Gregory att the Royall Exchange」とサインしています。

 

 

時計を持つ紳士の肖像画, 1675年

肖像画に描かれている正体不明の紳士は、1660年頃のナサニエル・バロウ作の時計とよく似た時計を手に持っています。

当時、時計を持っている市民は超富裕層。この紳士の富がうかがえます。

 

 

トラベリングウォッチ, 1680年

ウィリアム・ノッテスフォード作のトラベルウォッチ。

金色のリングの中に銀色の文字盤があり、赤色で月日と時刻を表示します。ヴァージ脱進機、.25回転のヒゲゼンマイ、4輪駆動です。

”William Knottesforde London”のサインが入っています。ノッテスフォードは1663年にフリークロックメーカーとなり、1693年にはクロックマスターとなっています。

 

 

 

膨大な展示物・展示アリアがある、ロンドン科学博物館(Science Museum)。

入場料無料なので、少しずつ通って他のエリアも紹介できるようになりたいと思います。

 

次回、「時計編その③」の記事に続きます!

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

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