【世界遺産】王立植物園キュー・ガーデン(Royal Botanic Gardens, Kew)その②

イギリス
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アメリカ大陸、アフリカ大陸、オーストラリアなど、世界中の熱帯植物がここで展示されています。

 

 

世界最大の熱帯植物地帯である中南米には、85,000種以上の植物が生息し、調査が進んでいない地域です。

 

 

研究機関としての一面も持つキューガーデンは、かつてイギリスの各植民地の資源植物(人の生活に役立つものを作るための原料になる植物)を集めて、品種改良を行っていました。

育成条件に合う他の植民地に移植して大量生産をしていたそうです。

その例はこちら

  • 中国産のお茶 → インドのダージリン地方へ
  • アマゾン川流域の天然ゴム → マレー半島へ
  • ポリネシア産のパンノキ → 西インド諸島へ

 

アメリカで加硫ゴムが発明されたことで原料の生ゴムの需要が急激に増加し、さらに海底ケーブルの絶縁体としてのゴムの特需も重なった結果、南米のゴムの木は無計画な樹液の採取によって次々と枯渇していきました。

 

そこでイギリス政府は、キューガーデンでゴムの木を栽培し、その種子を植民地でプランテーションして大量生産しようと計画します。

当時、南米ブラジルではゴムの木の種子の輸出は禁止されていましたが、なんと、港の役人に「英国王室が特別に注文したもの。急いで運ばないと枯れてしまう。」という嘘をついて、盗んできたそうです(;’∀’)

盗んできた種子でプランテーションは成功し、1920年ごろにはイギリスが世界の天然ゴムを独占することになります。種子を盗んできた人には十分な褒賞とナイトの称号を与えられたそうです。

 

 

キューガーデンではコーヒーの品種の研究を行っています。高温の気候でも育成できるコーヒー種を発見。

温暖化が進む未来のコーヒー栽培において、今の品種にとって代わる可能性があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2階にも展示エリアがあります。螺旋階段で登っていくようです。

 

 

 

 

キューパレス(Kew Palace)

キューガーデンの敷地内にある、英国王室最小といわれる宮殿「キューパレス(Kew Palace)」。歴史的建造物グレードI指定を受けて、一般公開されています。(冬期は休館)

16世紀ごろに建てられ、当時の英国で流行していたオランダ様式のこの建物は、ダッチハウスと呼ばれていました。

王族が暮らし宮殿として使用されていましたが、1844年ごろを最後に使われなくなったそうです。

 

追加で入場料は必要ありませんでした。

 

 

 

キューパレスの正面には日時計がありました。1959年に王室の訪問を記念して、キュー・ガーデンに贈られたものだそうです。

 

 

 

キュー・パレスは、ジョージ3世(1761-1820)が住んでいたことでよく知られています。1801年と1804年には、妻のシャーロット王妃と娘たちと共に、心身の病気の治療のためにここを訪れました。

ジョージ3世は音楽が好きで、毎週音楽会が開催されていたそうです。

 

 

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