世界で初めての透明石鹸・世界最古の商品登録されたブランド、ペアーズ石鹸(Pears Soap)
そんな石けんがイギリスにあることをご存知でしょうか?
お値段も一つ55p(83円くらい)とお手頃価格です。敏感肌の方にもおすすめ。お土産として買うのも良いかもしれません。
ペアーズは「世界で一番古いブランド」と言われている通り、1789年創業。
コーンウォール生まれの創業者アンドリュー・ペアーズ(Andrew Pears)は、当時ロンドンの高級住宅街であるソーホーで床屋を営んでいました。
そこで、店に訪れる身だしなみに気を遣う裕福なお客様たちが美白・美肌に執着していることに気づきます。
当時のロンドンの上流階級たちは白粉(おしろい)を肌に使用しており、落とすためのせっけんが肌にきつく、肌荒れに悩まされる人々が多かったのだとか。また、「肌の色が黒くガサガサしているのは、日の当たる外で仕事をしている労働階級のようだ!」という上流階級の人々のイメージもあり、白い肌であることが重要であったようです。
このような富裕層の悩み・需要にこたえるべく、ペアーズは泡立ち良く、肌に優しい上質の石鹸を作ります。上流階級をターゲットにしたことがうまくいき、売り上げを伸ばしていったのだそうです。当時では世間では珍しい「透明である」ことも、人気を博した理由の一つです。
グリセリン・天然オイルを使用し、独自の製法で不純物を取り除き熟成させることで、この透明感ある琥珀色の石鹸ができました。手作業・目視確認されて仕上げられます。
興味深い点は、当時の会社では珍しい「ブランディング戦略に力を入れたこと」
1878年のパリ万国博覧会に彫像を出品したり、画家ジョン・エヴァレット・ミレイ(John Everett Millai)の絵画を使用したりと華々しい広告展開。
20世紀初頭には、「ミス・ピアーズ」コンテストを毎年開催し、パッケージや消費者向けプロモーションに使用する若い女優やモデルを応募していました。
企業のマーケティングの成功の積み重ねもあり、200年も続く石鹸ブランドになったのですね…
現在は、インドにあるユニリーバ、ヒンドスタン・ユニリーバ社が67%の株式を保有しピアーズソープを製造しています。
ブランド名は変わらず受け継がれていますが、年配ユーザーからは「製造元が変わってからは石鹸の香りが変わってしまった」と言われています。
以前の「ふんわりとした家庭的な洗濯物のような香り」が無くなり、今では「工業的なきついにおい」なのだとか…
昔のペアーズの方がよかった!というペアーズ古参ファンが、今ある昔仕様の石鹸を大量に買い占める動きもあったそうです。熱狂的…!
そんな歴史があるペアーズ石けん。パッケージはシンプルで上品です。
Gentleと記載があるように、敏感肌にも優しい使い心地なのでしょう…
一つ55p(83円くらい)とお手頃価格です。イギリスのスーパーや薬局で必ずと言っていいほど販売されています。
裏面はこちら。
「純粋な透明感が出るまで熟成し、1つ1つ手作業で目で確認しながら作られています。」
ユニリーバのマークが入っていますね。
中身を取り出してみました。
たしかに透き通りようなオレンジ色の石鹸です。
香りはハーブ?ミント?系です。ハッカ飴とか歯磨き粉に近いような…。
片面にはTransparent Soap(透明な石鹸)の文字がありました。
肝心の使い心地です。
イギリスのハンドソープは泡立ちが悪く、ヌルヌルとしていて洗い流した感じがしなくて苦手でした(;’∀’)英国暮らしを始めて数か月経ち、「そういうものなんだろう」と慣れてきたところです。日本から持ってきた石けんをイギリスで使うと、これまた泡立ちが悪い(軟水・硬水の違いなのでしょうか…)。
ですが、このペアーズソープはそのヌルヌル感がありません!!!嬉しすぎる。同じハンドソープの悩みを抱えているイギリス暮らしの日本人に教えてあげたい…!
ペアーズと同じくらいよく見かけるこちらのハンドソープは、洗ってもちゃんと洗い流せてないようなヌルヌル感が残ります。アロエの香りはとても好きなのですが…(*_*;
キュッ!キュッ!と、いかにも「綺麗に洗えました!」という洗い心地です。
液体状になったボディソープもあります。こちらの使い心地も悪くありません。
敏感肌&日本の石けんと同じような洗い心地のハンドソープを探している方におすすめの品です~。
日本ではなかなか取り扱いが無く、入手しにくい石鹸です。安いけど案外喜ばれるお土産かも?
イギリス・ロンドン観光の際はぜひスーパーや薬局で買ってみてください(^^♪