展示品
フリーパンフレットに記載のある代表20作品、気になるものから、いくつかご紹介します。
Youtube動画でも紹介しています。よろしければご覧ください(*’▽’)
The Serilly Cabinet,1778 セリー社製キャビネット
1770年代のパリで流行した新古典主義様式(Neo-classical)の装飾を代表する作品。
新古典主義様式の装飾は、王妃マリー・アントワネットのために働いていたルソー兄弟が手がけたものです。革命直前のパリ貴族の優雅で豪華なインテリアを象徴しています。
このキャビネットは、フランス軍総支配人の16歳の花嫁、セリー夫人のためにデザインされたものです。
セリー家はマレ地区にあるホテル・セリーを経営していた一族でした。
この小さな部屋(キャビネット)は、庭からしか出入り出来ない作りでそのホテルの母屋に配置されており、この庭の部屋は女性のプライベートな隠れ家・親しい友人をもてなす部屋として利用されていたのだとか…
このキャビネットの完成の4年後には、セリー家は深刻な財政難となったため、このキャビネットはこちらの博物館に売却されました。
Robe de chambre,1690-1720 ローブ・ド・シャンブル
当時の貴族男性の服装は、コート、ウエストコート(ベスト)、ブリーチズ(ズボン)などの体にぴったりフィットし、重くて締め付けられるものでした。
そのため、家で家族と過ごすときや友人をもてなしする時は、ゆったりとしたロングのガウンを好んで着ていたそうです。
フランスではロード・ド・シャンブルと呼ばれ、着る人の需要に合わせて様々な素材が選ばれていました。
こちらの当時のヨーロッパでは珍しい形と豪華な素材でできたガウン。日本の着物から着想を得たデザインと、中国産のシルクなのだそうです。
当時の国際貿易の高まりを物語っています。
当時、多くの芸術家やがこのタイプのガウンを着て、肖像画を描いてもらっていました。シルクのマットな質感と高級感のある生地は、キャンドルの灯りに照らされて、着ている人の存在感を際立たせていたのでしょう…