展示エリア
前回記事その③の続きからです。
続いて、「Steam undergraund」の展示エリアにやってきました。
世界で最初に開業した地下鉄は、ロンドンの「メトロポリタン鉄道」です。
世界初の地下鉄は、2000人以上のエンジニアが手作業で建設しました。
カットアンドカバー工法と呼ばれる方法で、トンネルが形成されたのだそう。(カットアンドカバー工法…地表面より土留めと支保工を施しながら溝を掘削、その上に屋根をつけてトンネルを形成する工法)
当時、地下に何が埋まっているのかを正確に把握できる方法はなく、危険な作業でしたが、
これらのヴィクトリア朝時代に作られたトンネルのほとんどは、現在ももロンドン地下鉄で使用されています。
張りぼての建物
1860年代、裕福な世帯が住むベイズウォーターにメトロポリタン鉄道を敷く際、2軒の大きなテラスハウスが取り壊されることになりました。
通りの景観が損なわれるということで、なんと鉄道の上にダミー・フロントを設置したそうです!
写真はダミーフロントと、解体中のその裏側の様子。
世界初の地下鉄であるメトロポリタン鉄道の初期の蒸気機関車
1864年から1869年にかけて、製造された66両のうちの1両です。
価格は2,675ポンドで、現在の約200万ポンド(約3億円)に相当します!1899年、1903年、1918年の3回にわたってオーバーホールが行われ、80年以上にわたって運行されました。
開通した当初は、トンネル内の蒸気や煙はひどいものでした。
『タイムズ』紙は「キングス・クロスからベーカー・ストリートまでの旅は、軽い拷問である」と評したほどです。
地下鉄を走る蒸気機関車から出る、蒸気や煙を減らすために様々な工夫がされていました。
排気蒸気を冷水のタンクに凝縮させるための特殊なパイプが使われたり、燃料は石炭ではなく、煙の少ないコークスが使われたり、煙を排出するために穴(’blow holes’)を設けたり。
40年以上にわたってこれらの工夫がされましたが、当時の大気汚染はひどいものでした。
これらの問題を一気に解決したのは、1905年に実施された「蒸気機関車から電車」への電化でした。
蒸気機関車が地下で使用されるようになると、首都圏の沿線にはトンネルを換気するためのブローホールが作られるようになりました。
トンネルから煙が出ると、上の道路にいる人はびっくりしてしまいます。