世界遺産に登録されている、ギリシャ・アテネにある古代ギリシャ遺跡「アクロポリス」。
アクロポリスにある神殿群の中でも、特に有名なパルテノン神殿は黄金比で建築された、古代ギリシャ建築の最高峰です。
そんなアクロポリスの、チケット料金・見どころなどを写真と共に紹介します!
【世界遺産】アテネのアクロポリスって?
アクロポリスとは、古代ギリシャの都市国家「ポリス」の象徴である小高い丘のこと。”高いところにある城市”という意味があり、自然の防壁となる丘の上に、神殿・砦が築かれています。
ギリシャにはたくさんのアクロポリスがありますが、その中でも最も有名なものが「アテナイのアクロポリス」です。
紀元前430年頃に造られ、神々を祀る聖域・宗教的な意味を持つ場所であると同時に、敵の侵入を防ぐ自然要塞でもありました。
1987年に世界遺産に登録され、世界中から観光客が訪れるギリシャの有名観光地となっています。
海抜150メートルの平らな石灰岩の丘にあり、敷地面積は約3ヘクタール。アテネの街中・ホテル客室からも見える位置にあります。
夜はライトアップされ、昼とはまた違った雰囲気です。
Youtube動画でも紹介しています。よろしければご視聴・チャンネル登録・いいね、宜しくお願い致します(^^)/
アクセス・場所
アクロポリスがあるのは、ギリシャの首都アテネ。岩肌が露出したアテネの丘の上にあります。
アテネは、約3,400年の歴史がある世界最古の都市の1つ。オリンピック発祥の地としても有名ですね。
アテネにはアクロポリス以外にも、たくさんの遺跡・博物館などの観光名所があります。
最寄駅は、地下鉄駅のアクロポリ駅です。駅からは徒歩12分ほどでアクロポリスです。
地上に出てからは、案内掲示版が見つかりやすい所にあるため、迷わずに進めるかと思います。
今回私たちは、歩いて行ける距離にあるホテルに宿泊したため、ホテルから徒歩でアクロポリスへ向かいました。
道中、アテネの街中の雰囲気を楽しみながら、のんびりと歩いて行くことができました(^^♪
オリーブの木の加工品のお店。
キーボードまであります!(;’∀’)
料金・チケット・所要時間
今回、私たちが購入したチケットは、「Athens Pass to Acropolis & 6 Sites with Optional Audio Guide – Multipass Skip-the-Line Ticket」。
こちらのチケットに含まれるものは、以下の通り
- 6つの遺跡の入場券(アクロポリス・古代アゴラ・ローマンアゴラ・ハドリアヌスの図書館・オリンポスのゼウス神殿・ケラメイコス・リュケイオン)
- 英語のデジタルオーディオガイド付き
- 優先入場
チケット料金は、1人49ユーロでした。
アクロポリスの入場料は30ユーロ。古代アゴラやローマンアゴラなどの他の遺跡への入場料は、8~15ユーロほどします。
アテネの遺跡をいくつか巡るならば、こちらの共通チケットを購入した方がお得&楽です。
見学の所要時間は、約2時間ほど。
遺跡内は石畳の階段・坂道が多く、たくさんの人がその上を歩いたためかツルツルと滑りやすいです。観光には、履き慣れた歩きやすい靴で行くことをおすすめします。
また、日差しが強いため、日焼け止めやサングラスなどの、日差し対策をお忘れなく。
アクロポリス見どころ
入口までの道中
アクロポリスへの入場口まで歩きます。
道中の街路樹をふと見ると、なんとミカンがなっているではありませんか!
街路樹がフルーツの木…さすが地中海の国ですね
こんなの「どうぶつの森」でしか見たことない…(;’∀’)
階段沿いにカフェ・レストランが建っている通り。階段にイス・テーブルが置かれています。
道が狭く、入り組んでいますが、あちこちにアクロポリスへの案内看板があり安心です。
道中にも、歴史ある建物や遺跡のようなものが。
チケット販売所は大行列。事前にオンラインで購入しておけば、並ぶ時間を省くことができます。
観光客が集まる広場には、スパルタの戦士のコスプレをした人が。一緒に記念撮影してくれるようです(チップとして数ユーロ請求されますが)
アレオパゴスの丘
アクロポリス北西にある、アテネ市街・遺跡・アクロポリスの景色を一望できる丘「アレオパゴスの丘(Areopagus / Hill of Ares)」。
こちらは入場料無料で、だれでも入ることができます。
アレオパゴスとは、「アレス神の丘」という意味で、彼がこの丘で神々の裁きを受けたことに由来するそうです。
古代アテナイの政治機構、貴族たちの会議所(評議所)である「アレオパゴス会議」はここに置かれていました。
古代アゴラとアッタロスの柱廊を見下ろせます。
足元の岩は、たくさんの人々が歩いたためかツルツルで滑りやすくなっていました。足元にはご注意ください。
アクロポリスもこのような感じで一望できます。
ディオニソスの劇場
アクロポリスの南側にある大型野外劇場「ディオニソスの劇場 / ディオニューソス劇場(Theatre of Dionysus)」。
紀元前325年頃に建設された劇場で、ギリシャ最古の劇場と言われています。
酒と演劇の神であるディオニソスの神域に造られていることが名前の由来です。
当時はディオニソス祭が催されたり、アテネ三大悲劇詩人のアイスキュロス、ソフォクレス、エウリピデス、喜劇詩人アリストパネスといった古代の劇作家たちが、作品をコンテスト形式で競い合ったりするなど、娯楽の場として利用されていました。
収容人数は約14,000人〜17,000人。ギリシャ政府が900万ドルの費用をかけて、復元・拡張しました。
前述のアレオパゴスと違い、ここから先の遺跡へ入るには、有料の入場チケットが必要となります。
入場すると、アクロポリスの見学ルートが看板に提示されていました。
遺跡ですから、当然、石畳の階段や坂道ばかり。履き慣れた歩きやすい靴を履いて行くことをおすすめします。足元にはご注意ください。
プロピレア門
アテナイのアクロポリスという聖域の入り口である「プロピレア門 / プロピュライア(Propylaea)」。
この門を通った先に、パルテノン神殿・エレクティオン神殿などがあります。まさに聖域へと続く玄関口です。
紀元前6世紀頃に完成した門で、中央にドーリア式の円柱、両脇にはイオニア式の円柱が並んでいます。
しかし、こちらの門も戦争で損傷してしまったため、後世で再建されたものです。
プロピュライアは白い大理石と、灰色の石灰石で造られています。
よく見ると、柱は1本の柱ではなく、ちくわぶのような円柱の部品が積み上げられてできたものなんですね!地震があると、ごろごろと丘の上から転がってきそうで少しこわいです(*_*;
よーく見るとちょっとずつずれています。だるま落としみたいですね。
真下から見上げたプロピレア門はこちら。
門をくぐり抜け、アクロポリス内から見たプロピュライアはこちら。
アクロポリス内のあちこちに、このような解説がありました。
ベルリンのブランデンブルク門は、アクロポリスのプロピュライアをモデルに造られたものだとか。
門をくぐり抜けると、アクロポリスの神殿群が目の前に広がります。
パルテノン神殿
紀元前430頃、古代ギリシャ時代に建設された、アテナイの守護神女神アテナを祀る神殿「パルテノン神殿(the Parthenon)」。
当時は、内部に女神アテナ像が祀られていたそうです。アテナは男の神と結婚せず生涯処女(パルテノス)でいたことから、パルテノン神殿と呼ばれたそう。
アテネ国立考古博物館にあるアテナ女神像↓
パルテノン神殿は、1687年に起こったオスマン・ベネチア戦争で部分的に破壊されてしまいます。パルテノン神殿は弾薬庫として使われており、その爆薬が爆発してしまい大きな損傷を受けました。
このような経緯があり、現在のパルテノン神殿は、1834年に再建されたもの。
パルテノン神殿が建設された当時は屋根があったそうです。
神殿には46本の柱があります。
現在も修復中。柱を1本修復するのに数百万円ほどの費用がかかるそうで、あまり進んでいないとか…(;’∀’)
パルテノン神殿は、古代ギリシャ建築の最高峰の技術を用いて建設された神殿。
私が大好きな古代ギリシャ研究家のシシン先生いわく、柱は1本として同じ柱は無いとのこと。
正面から見て、一番外側の柱は、内側の柱よりも少し直径が太く造られている。
全ての柱を同じ太さにすると、目の錯覚で外側の柱が細く見えてしまうため、正面から見た時に美しく見えるように柱の太さ・間隔などをちょっとずつ変えている。
また、一見垂直に建っているように見えますが、実は上部にかけて徐々に細くし、中央に膨らみを持たせるエンタシスという技法も用いられています。
この技法により、真っ直ぐな柱よりも安定して美しく見えるという錯覚を生み出しているのだそう。
このエンタシスは、日本の法隆寺金堂や五重塔の円柱にも用いられているのだとか。
緻密な計算で建てられているんですね…(*_*)
神殿の設計には、人が最も美しいと感じるバランス比率である黄金比が用いられています。ちなみに、クレジットカードや世界的な大企業のロゴマークなども黄金比で造られています。
パルテノン神殿について、工事の工程についてなどの説明が書かれた看板がありました。
展望台
アテネ市街を一望できる「アクロポリス展望台(Acropolis Observatory)」。大きなギリシャ国旗が掲げられています。
写真撮影したくなる、素晴らしい景色です!
突き出た岩山は、標高273mのリカヴィトスの丘。また、ゼウス神殿も見えます。
展望台があるのは、アクロポリスの入口プロピレアの反対側である東側。こちらは写真の通り、断崖絶壁です。
エレクティオン神殿
パルテノン神殿の向かい側に建つのが「エレクティオン神殿(Erechtheion)」。
紀元前406年頃に完成。アクロポリスにある神殿の中では一番新しいものです。
神話によると、この場所は、アテネの守護神の座をかけ、女神アテナと海神ポセイドンが争った場所であると言われています。
ギリシャ神話の女神アテナと海神ポセイドン、最高神ゼウス、火と鍛冶の神ヘファイストスなど数多くの神々が祀られているそう。
6人の巫女が屋根を支えるこちらは、カリアティードと呼ばれるものです。古代ギリシャの着衣を身にまとい、体のラインが美しく表現されている巫女の彫刻。
巫女像はレプリカで、オリジナルの像は、5本はアテネにある新アクロポリス美術館に、1本はロンドンにある大英博物館に保存されています。
神殿の裏側には「聖なるオリーブの木(Sacred Olive Tree)」
ギリシャ神話によると、アクロポリスのオリーブの木は、女神アテナが植えたもの。こちらのオリーブの木はアテネ人だけでなく、ギリシャ人に神聖視されている大切な木のようです。
オリーブの葉は、勝利したオリンピック選手や将軍、王の頭に冠され、オリーブの木は、家・船の材料として使われ、
また、オリーブの果実であるオリーブオイルとオリーブは、地中海沿岸の食生活の主食であり、古代から今日に至るまで貴重な輸出品です。
古代から、オリーブはギリシャ人にとっては大切なものであったことがよくわかります。
アテナ・ニケ神殿
勝利の女神ニケに捧げた神殿「アテナ・ニケ神殿 / アテーナー・ニーケー神殿」。
紀元前424年ごろに完成した、幅5.4m、奥行き8.3m、4柱式のイオニア式建築です。
現在の神殿は、20世紀に再建されたものです。3度の修復を経て今に至ります。
ニーケーはギリシア語で「勝利」を意味し、知恵の神としてのアテーナーを、アテーナー・ニーケー (Athena Nike) として祀っていたのだそう。
ちなみに、スポーツメーカー「NIKE ナイキ」の名は女神ニケが由来です。
パリのルーブル美術館にある『サモトラケのニケ』。ナイキのロゴのモチーフになっているそうです。躍動感・スピード感を表現しているのだとか。
東面のフリーズにはアテーナー、ゼウス、ポセイドーンなどの神々の彫刻が。
現在、アクロポリスにあるフリーズはレプリカであり、オリジナルの断片はアクロポリス博物館に展示されています。
イドロ・アティコス音楽堂
アクロポリス南西麓にある屋外円形音楽堂「イドロ・アティコス音楽堂 / ヘロディス・アッティコス音楽堂(Odeon of Herodes Atticus)」。
161年に、当時の元老院の議員ヘロディス・アッティコスが建設したと言われています。かつては高価なレバノン杉でできた屋根で覆われていたそうです。
32段の白大理石で造られた座席には、約5,000人を収容できます。舞台裏の建物は3層構造になっています。
こちらも戦争により破壊されてしまったため、現在のものは1950年代に再建されたものです。再建にはちゃんと、本来の建材であるペンテリ山産の大理石が使用されているそう。
夏のシーズンは、オペラやコンサートなどが開催されているとか。夏にアテネ旅行を計画されている方はぜひ!
以上、世界遺産「アテネのアクロポリス」の旅行記・見どころ紹介記事でした。ここまで読んでいただきありがとうございました。
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