デンマーク・コペンハーゲンにある「クリスチャンスボー城(Christiansborg Palace)」。
デンマークの三権が集結する施設で、一国の三権をすべて擁する建物は、世界でもこの宮殿だけだそうです。
そんなクリスチャンスボー城を見学してきました!入場料、チケット、歴史、所要時間など、写真と共に紹介します。
コペンハーゲンってどんな街?
北欧の国、デンマークの首都であり、デンマーク最大の都市である「コペンハーゲン(デンマーク語: København)」
都市圏人口は190万人。北ヨーロッパ最大級の都市圏です。
港町ニューハウン、クリスチャンスボー城(国会議事堂)、アンデルセンの「人魚姫の像」、世界で3番目に歴史のあるテーマパークであるチボリ公園などの観光名所があります。
コペンハーゲンの名所を巡る、運河クルーズツアーもあります。
こちらの記事で詳しく紹介しています。
「コペンハーゲン」という都市名は、デンマーク語の”Kjøbmandehavn”(商人たちの港)に由来します。運河・海運は、コペンハーゲンにとって身近なものなのかもしれませんね。
国土の7割が農耕・酪農地ですが、海運・製薬・風力発電装置産業の分野で国際的な競争力がある企業があります。
世界的な海運会社「A.P. モラー・マースク」も、コペンハーゲンにあります。
北欧の物価は高いイメージ。実際に観光して思うのは、やはり「デンマークの物価は日本に比べると高い」ということです(*_*;
カフェでラテ・コーヒーを飲めば、1,000円ほどしますし、ランチにハンバーガーセットやサンドイッチセットを食べたら、2,000円以上します。
ディナーは、普通のレストランでも、日本の高級レストランぐらいのお値段がして驚きました。
デンマークは、税金が高い国としても有名です。
所得税55%(市税21%・県税11%・国税23%)、消費税25%(食料品も全て25%)、自動車取得税は280%。
税金が高い分、「福祉国家」と呼ばれるほど社会保障制度はしっかりとしています。出産費、教育費、医療費、介護費が無料です。
子供達の学費の心配をせずとも、18歳の成人の学生には学在学中に一人につき毎月91,000円ほどの生活費が国から支給されるそうです。大学は「お金をもらって行く」というのがデンマークの常識。
有給休暇は年間6週間あり、国からお金が出ます。失業しても最大で前職の給料の9割が保証されます。
まさに「ゆりかごから墓地まで」国が面倒をみてくれます。
納税者へどれくらいのリターンがあるか、生活の中で実感しやすいですね。デンマーク人は将来の心配が少なく、保険にも入らないし貯金もしない。我慢せずにお金を今やりたい事に費やせるようです。
これだけ税金が高くとも、世界幸福度ランキングは上位に入っている理由が少しわかるような気がします(;’∀’)
また、高い税金を納めているからこそ、税金の使われ方に対する国民の関心は高くシビアなものになっています。デンマークの国政選挙の投票率は、8割を下回ったことがないそうです!
高福祉高負担を実現させているデンマークでは、「減税を主張する政治家は落選する」ともいわれているようです(*_*;
一方で、少子高齢化による財政赤字となりこのシステムを維持できなくなってきているという課題や、税制への不信感という国民の声、難民問題も抱えています。
そんなデンマーク・コペンハーゲン旅行記の紹介記事は、こちら↓
クリスチャンスボー城に行ってきました
800年の歴史を持つ、バロック様式の宮殿「クリスチャンスボー城(Christiansborg Palace)」。デンマーク国王クリスチャン6世の名前から名付けられています。
王室・政府の迎賓館として使用されているほか、国会議事堂や内閣府、首相執務室、最高裁判所など、デンマークの三権に関する施設がおかれている施設です。
図書館やチャペルもあり、地下には12世紀の遺跡が残っています。
一国の三権をすべて擁する建物は、世界でもこの宮殿だけだそう。世界でも数少ない、一般人が見学できる現役の宮殿です。
中に入るにはチケット購入が必要です。チケット料金は、大人1人160DKK(約3,000円)でした。
地下の遺跡やキッチンなどへの入場料はまた別で支払う必要があります。
所要時間は、2~3時間ほど。
観光名所巡りに便利な「コペンハーゲンカード」があれば、無料で入場できます。
料金はシーズンにより少しずつ異なるようです。正しい情報は公式ホームページでご確認ください。公式HP<https://kongeligeslotte.dk/en/palaces-and-gardens/christiansborg-palace.html>
1794年と1884年に2度も火災に遭い修復された結果、バロック様式、新古典主義様式、ネオ・バロック様式の3つの建築様式が共存している造りとなっています。
床を傷つけないよう、靴にカバーを被せる必要があります。
「アレキサンダーの間」
モザイク、金、鏡、柱が入り乱れる広間。
昼食会、晩餐会、新年に開催されるデンマーク軍隊による女王への新年の挨拶など、様々な行事の舞台として使用されています。
この部屋の名前となっている「アレクサンダー」は、英雄アレキサンダー大王からとられたものです。部屋の壁上部をぐるりと囲む大理石のフリーズには、王の戦車が残した轍に、王の歩兵と騎兵が続く様子が表現されています。
デンマークの公式晩餐会の食器は、あのロイヤルコペンハーゲンの最高峰コレクション「フローラダニカ(Flora Danica)」。
「ロイヤルコペンハーゲン(Royal Copenhagen)」は、デンマークの王室御用達窯で、240年以上にわたり世界中で愛され続けている陶磁器メーカーです。
手描きによるコバルトブルーの絵柄が特徴で、日本人にも大人気。
1868年から制作されているブルーバターン「ブルーフルーテッド」は特に人気です。陶器に詳しくない人でも、一度は見たことがあるという柄ではないでしょうか。
デンマーク陶器、ロイヤルコペンハーゲンの本店については、こちらの記事で写真と共に詳しく紹介しています↓
お得なアウトレットにも行ってきました!
そんなロイヤルコペンハーゲンの最高峰コレクション「フローラダニカ(Flora Danica)」が、デンマーク公式晩餐会の食器として使用されています。
「フローラダニカ・植物図鑑」の挿絵を元絵に、デンマーク国内の全ての植物を忠実に描こうという着想のもと、熟練の職人が1つ1つ手作業で絵付けしているそうです。
フローラダニカはデンマークの至宝と呼ばれ、今も成型・装飾・施釉・彩色や金彩に至るまで全て手作業で行われています。
植物の根毛といった細かい部分まで緻密に描かれています。植物は実物の等身大サイズで描かれているそう。
女王のレファレンスライブラリー(Queen’s Reference Library)。代々デンマーク君主が所有しています。
金色に輝く壮麗な空間です。
元々、本はフレデリク5世(在位:1746年 – 1766年)が集めたという王の私物コレクションです。その中には、デンマークの著名な作家アンデルセンの署名入り初版本という、貴重な本も含まれているそうです。
1794年の火災で大きな被害を受けたものの、現在も9万冊以上の蔵書があります。本を並べたその長さは3キロ以上にも及ぶそうです。
そのうちの約1万冊がこのライブラリーに保管され、残りはアマリエンボー宮殿に保管されています。
天井画には、7羽の優雅なコウノトリが描かれています。
こちらの部屋では、外国からの賓客を招いて昼食会や晩餐会が開催されることもあるそう。その際は、デンマーク首相が所有者である女王から借りるという手続きをとるそうです。
こちらの階段は、首相執務室に続いているようです。一般人は入れないようになっています。
ダイニング・ホール。
ダイニングホールにある、マホガニー製の大きな52人がけのテーブル。各国首脳が集う晩餐会や、女王主催の晩餐会では、この大きなテーブルにたくさんの料理が並べられます。
こちらの立派なシャンデリアは、元々はノルウェー・オスロにある宮殿で使用されていたもの。1903年に売却された後、クリスチャンボー城に設置されました。
オリジナルは3つあり、そのうちの2つはこちらクリスチャンボー城に、残りの1つは同じくコペンハーゲンにあるアマリエンボー宮殿にあります。
翌日、アマリエンボー宮殿にも行ってきました!こちらが、アマリエンボー宮殿にあるもう一つのシャンデリア。
途中には、修繕工事中の場所もありました。
宮殿の中心にある大広間。国賓訪問、晩餐会に使用されます。
長さ40メートル、幅14メートル、高さ10メートルのこのホールは、宮殿で最も大きな部屋です。最大400名まで収容可能。国賓訪問や晩餐会の舞台となる部屋です。
大ホールの壁にはカラフルなタペストリー、天井からはベネチアングラスのシャンデリアが吊るされています。
タペストリーの数は17枚です。女王陛下の50歳の誕生日を記念して、デンマークの経済界から贈られたものだとか。
織工房の織物職人チームが、10年がかりで完成させたゴブラン織りのタペストリーです。
ヨーロッパではこのような大型のタペストリーは、裕福な邸宅の壁飾りや断熱材として使われていました。
それぞれ、バイキング時代から現在までの、約1100年間のデンマークの歴史がタペストリーに織り込まれているそうです。王や女王、国家元首、著名人、時代を象徴する工芸品などが描かれています。
入場料とは別に料金を支払えば、タペストリーの説明が聞けるガイドツアーに参加することができます。
銀食器、磁器、金色の燭台、カラフルなタペストリーなど、いろんな色が混ざり合うこの空間。この場所で晩餐会や舞踏会が開催される際は、大広間全体が色彩と人々の活気に満ちてきらめくことでしょう。
1903年に描かれた絵画「The Four Generations」。
王座にはクリスチャン4世が座っており、王の右側には息子のフレデリク8世、左側には孫のクリスチャン10世がいます。
王の足の間には、1947年にフレデリク4世(現王妃の父)となる小さな王子が描かれています。
真っ白なドレスを着た王子は、一見、お姫様のように見えますが、20世紀初頭当時は、小さな男の子はドレスを着るのが普通だったそうです。
フレデンスボーの間
フレデンスボーの間にある大きな絵画。クリスチャン9世、ルイーズ王妃、6人の子供たち、20人の孫たちが描かれています。
最も重要な部屋であり、君主が賓客を迎える部屋でもある「玉座の間」。
新しい外国の大使がデンマークに到着し、女王に信任状を提出する際に、この部屋で女王は大使を出迎えます。また、王国の高官たちが女王に新年の祝辞を述べる「新年の大礼拝」も、この玉座の間で行われます。
絶対王政時代の歴史的遺物といえる王座。脚の部分が金色のライオンになっている小さい方の玉座は王の玉座で、金色のグリフィンになっている大きい方の玉座は王妃の玉座です。
お土産ショップもありました。
中世の時代に建てられた城塞が、現在のクリスチャンスボー城の前身です。その城塞の一部は、クリスチャンスボー城の地下にあり、現在は遺跡として見学することができます。
城の建設の歴史や、コペンハーゲンが港・漁・貿易の中心地として栄えたことなど、コペンハーゲン・クリスチャンボー城の歴史が紹介されています。
城に使用された建材は主に「石灰岩」です。
その石灰岩は、コペンハーゲンから南方45キロメートル離れた場所にある、シェラン島にある白亜質の断崖「ステウンス・クリント」から運ばれてきたものです。断崖ステウンス・クリントは、現在は世界遺産に指定されています。
歴史を感じる地層も展示されていました。
1907年の発掘調査で発見された地層だそうです。海泥炭や、城建設時の盛り土、廃棄物層などが積み重なっています。
昔のクリスチャンボー城のファサード(建物を正面)の一部。
1700年代の城のミニチュア模型。
1884年まで使用されていたという井戸も残っていました。
以上、デンマーク・コペンハーゲンにある「 クリスチャンスボー城 (Christiansborg Palace)」見学の体験記でした。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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