英国初の国立美術館、ロンドン・ナショナルギャラリー(The National Gallery)
ゴッホの「ひまわり」、レオナルド・ダ・ヴィンチの「岩窟の聖母」などの有名な絵画をはじめ、約2万点の展示品を所蔵しています。
そんなナショナル・ギャラリーを写真と共に紹介していきます。
ナショナル・ギャラリーとは
トラファルガー広場の北にある全長140mもある巨大な建物が、世界最大の美術館のひとつに数えられる英国国立美術館「ナショナルギャラリー(The National Gallery)」
1824年に実業家が収集した絵画を、当時の英国首相が買い上げて、一般公開したのが始まりとされています。
【Location】
Trafalgar Square, London WC2N 5DN
イギリスにはなぜか有名な画家や彫刻家はいませんが、ナショナル・ギャラリーの展示品の総数は約2万点!「イギリス人は絵を描くのは苦手でも集めるのはプロ」などと言われるのも納得です…(;・∀・)
イタリア、オランダの名画のみならず、印象派のコレクションもあり、約8世紀にわたる各世代の絵画を網羅するような幅広い作品を所蔵しています。
また、国内・国外の美術館から作品を借りて、絵画・美術工芸品の特別展も頻繁に開催されています。
ナショナル・ギャラリーのフロアは大きく4つに分けられています。年代順に区分されており、わかりやすいです。
- セインズベリ・ウィング (1200~1500年の絵画)
- ウエスト・ウィング (1500~1600年の絵画)
- ノース・ウィング (1200~1500年の絵画)
- イースト・ウィング (1200~1500年の絵画)
館内のあちこちに、地図とおすすめルートが記載されています。A~Cのコースがあり、それぞれ30分前後かかるようです。
休憩もしつつ、全体を見て回るには2時間ぐらいはかかりそうですね…
入場料は無料です。時間帯ごとに入場制限をしているため、事前にオンライン予約をしていった方が列に並んで外で待つことなく入場できて便利です。
トラファルガー広場周辺の様子は、以下記事にて紹介しています↓↓
Youtube動画でも紹介していますので、よろしければご覧ください(*’▽’)
セインズベリ・ウィング
セインズベリ・ウィングは1200~1500年代に描かれた絵画が展示されています。
主な画家は以下の通り
- ウッチェロ
- ファン・アイク
- ボッティチェリ
- ラファエロ
- レオナルド・ダ・ヴィンチ
展示されているのは宗教画ばかり。当時、文字が読めない人たちにもキリスト教など神様の素晴らしさを伝えるため、宗教画がたくさん描かれたそうです。
予習して少し知識がある状態で行くだけで、美術館巡りがこんなに楽しくなるとは…!(;’∀’)
ボッティチェリ(Botticiri)の「The Assumption of the Virgin」
1475-6年くらいに描かれたこちらの絵画。天空にドーム状の円天井が開き、キリストが聖母マリアを祝福しているシーンなのだそう。
ファン・アイク(Jan van Eyck)の「アルノルフィーニ夫妻の肖像(The Arnolfini Portrait)」
フランドル絵画(ベルギーを中心とするフランドル地方の美術)の傑作と言われているこちらの絵画。夫婦の後ろにある鏡をよく見ると、夫婦の後ろ姿と画家が緻密に描かれています。
レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)の「岩窟の聖母(The Virgin of the Rocks)」
1491-1508年に描かれたこちらの絵画。聖母マリア、キリストの従兄弟の洗礼者ヨハネ、天使が描かれています。
暗闇の中から人物が浮かび上がってくるような印象を出すために、当時は革新的だった絵画技法(例えば人物の輪郭をぼかす・影を表現など)が用いられているそうです。
同じ構図の絵画がルーブル美術館に所蔵されています。そのわけは、当時依頼を受けてこの「岩窟の聖母」を描いたものの、聖母マリアや天使に光輪(頭上の輪)が描かれてないということで、書き直しをすることになったからだそう。
(レオナルド・ダ・ヴィンチは、目に見えない非科学的なものを描くのはポリシーに反するということで光輪は描きたくなかったそうです)
最初に描いた「岩窟の聖母」(光輪なし)は、現在はルーブル美術館に所属されており、後に描いた「岩窟の聖母」(光輪あり)はこちらのナショナル・ギャラリーに所蔵されています。
ルーブル版の『岩窟の聖母』はこちら↓
現在、コロナ禍で海外からの観光客が少ないせいか、超有名絵画でもこれくらいの混雑。間近で見ることができます。
ウエスト・ウィング
1500~1600年の絵画が展示されているエリア。主な画家は
- ミケランジェロ
- ブリューゲル
- ホルバイン
時間が無くウエスト・ウィングは見て回ることができませんでした…(*_*;
今後、追記していきます!
ミケランジェロ大好きな方、申し訳ございません…(*_*;
ノース・ウィング
1600~1700年の絵画が展示されているエリア。主な画家は
- フェルメール
- レンブラント
- ルーベンス
イタリアの画家グイド・レーニ (Guido Reni)の、「羊飼いたちの崇拝(The Adoration of the Shepherds)」
1640年頃の絵画。額縁を除いた高さは約5メートルで、ナショナル・ギャラリーの所蔵品の中で最も大きな絵画のひとつです。ベツレヘムの馬小屋で、羊飼いたちが生まれたばかりのキリストを囲んでいる様子。
イースト・ウィング
1700~1930年の絵画が展示されているエリア。主な画家は
- ターナー
- モネ
- ゴッホ
- セザンヌ
絵画だけでなく、内装も美しく見惚れてしまいます(*_*;
ジョセフ・ライト (Joseph Wright of Derby)の「空気ポンプの実験(An Experiment on a Bird in the Air Pump)」
1768年の絵画。ガラス容器の中に空気を送り込んで真空状態にしている実験の様子を描いているそう。容器の中の白いオウムを心配そうに見上げる妹、見かねて目を覆っている姉など大衆の様々な反応が描かれています。
ゴッホ(Vincent van Gogh)の「ひまわり(Sunflowers)」
世界中にあるゴッホの5つの「ひまわり」のうちの1つがここナショナル・ギャラリーに所蔵されています。友人である画家のポール・ゴーギャンの来訪に備えて、アルルの家を飾るためにこの絵を描いたのだそう。
ひまわりと言えばゴッホ、というほどここまで特定の花と関係性が深い画家はいません。
人気作品ですが、混み具合はこんな感じでした。
その他、ゴッホの作品
ターナー(Joseph Mallord William Turner)の「解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号(The Fighting Temeraire)」
トラファルガー海戦で活躍したテメレール号。そのテメレール号の最後の旅を描いたもので、ケント州のシアネスからテムズ川に沿ってロンドン南東部のロザーヒテまで曳航され、そこで解体されることになった様子を描いています。
左側から、月、帆船、蒸気船、夕日が描かれており、夕日から月へ、帆船から蒸気船へという交代を描いていると言われています。
BBCの調査で「イギリス国内の1番好きな絵」で、堂々のランキング1位になった絵だそうです。
イギリス紙幣20ポンド札に、ターナーとテメレール号が描かれています。
休憩にちょうど良いレストラン・カフェも充実しており、座るソファもそれなりにいろんな場所にありました。午前から入場して午後までいることもできそうです。
お土産ショップには、絵はがき、絵画の複製、美術書、アクセサリー、小物など幅広いセンスの良い商品がたくさん。美術ファンはあれもこれもと買ってしまいたくなるような幅広い品揃えでした!
数々の名画を、このような内装も素敵な美術館で入場料無料で見ることができるとは…
ロンドンにはその他に、肖像画コレクションがある「ナショナル・ポートレート・ギャラリー」、ターナーのコレクションが見れる「テート・ブリテン」などたくさんの美術館があります。
ロンドン観光の際に、美術館巡りおすすめです♪
ここまで読んでいただきありがとうございました。