今年で公演35周年をむかえたロンドンのハー・マジェスティーズ・シアター(Her Majesty’s Theatre)の「オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)」
実際に行ってきましたので、劇場内の様子・作品「オペラ座の怪人」について紹介していきます。
オペラ座の怪人 The Phantom of the Opera
この有名なメロディー、オペラやミュージカルに詳しくない人でも、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
代名詞とも言えるこの劇中歌は「オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)」、劇のタイトルと同じです。
作曲は、ミュージカル「キャッツ CATS」を手がけたイギリスの作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバー (Sir Andrew Lloyd-Webber/1948-)
オペラ座の怪人はアンドリュー・ロイド・ウェバーの最高傑作と呼ばれています。
19世紀末のパリのオペラ座で、神出鬼没の怪人によって次々と起こされる殺人事件。
そのオペラ座の若手歌手のクリスティーヌに、怪人が恋をする。彼女はある時、代役として新作オペラの主演に大抜擢される。幼馴染みの青年貴族ラウルも祝福に訪れ、2人は再会を喜び合う。
だが、その直後、怪人の魔力に魅せられたクリスティーヌが地下深くへ連れ去られていく…
ストーリーがわかりやすく、劇中歌も有名な曲が多いです。ざっくりとしたあらすじを知っていれば英語リスニング力に自信がなくとも、楽しみやすい作品だと思います。
ロンドンの由緒正しい劇場、ハー・マジェスティーズ・シアター(Her Majesty’s Theatre)で1986年から現在まで、ロングラン上映されています。
当初のヒロイン役として抜擢されたのは、アンドリュー・ロイド・ウェバーの妻サラ・ブライトマン。当時ミュージカル俳優としては無名でしたが、この役がきっかけで世界のトップスターとなりました。
作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバー
かつてミュージカルといえば、ニューヨークのブロードウェイが独壇場でした。今では、イギリスの作品がブロードウェイでミュージカル公演されるように。
なぜここまでイギリスの作品が世界中から注目を浴びるようになったのか。それは作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバーの存在が大きいと言われています。
「ジーザス・クライスト・スーパースター」でデビュー、「キャッツ」「エビータ」と立て続けに世界的大ヒットを叩き出し、「オペラ座の怪人」で才能を発揮。イギリスのミュージカルの黄金時代を築いたといっても過言ではありません。
その他イギリス演劇の立役者として、「レ・ミゼラブル」「キャッツ」で高い評価を受けたトレヴァー・ナン監督やキャメロン・マッキントッシュプロデューサーがいます。
様々な人種が集うロンドンだからこその迫力ある歌とダンスです。
ハー・マジェスティーズ・シアター Her Majesty’s Theatre
“Her Majesty”は「女王陛下」という意味。ハー・マジェスティーズ・シアター(Her Majesty’s Theatre)は、その名にふさわしい歴史と特別な雰囲気がある劇場です。
1705年に設立。何度か火災があり、現在の建物は1869年に再建されたものです。
当初は”Queen’s Theatre”という名前でしたが、女王から王に、王から女王へと君主の性別が変わるたびに劇場の名前も変更していたそうです。
エリザベス2世が即位されるまでは、”His Majesty”という名称だった由緒ある劇場。
現在に至るまで、オペラやミュージカルの傑作を上演し続けています。一度はここで「オペラ座の怪人」を観たい!と思うような劇場です。
ロンドンの繁華街、劇場街でもある「ピカデリー・サーカス」にあります。
【Location】
Haymarket, St. James’s, London SW1Y 4QLx
真正面にはシアター・ロイヤル・ヘイマーケット(Theatre Royal Haymarket)
1720年にオープンした300年の歴史を誇る劇場です。さすがピカデリーサーカス周辺、少し歩けば由緒ある歴史的な劇場ばかりですね(;’∀’)
名高い建築家ジョン・ナッシュによって、建てられた芸術的な建物です。オスカー・ワイルドの作品をはじめ、数々の名作が上演され続けています。
3階席:グランド・サークル(GROUND CIRCLE)
座席は4階あり、それぞれ以下の通り名前があります。
2階席:ロイヤル・サークル(ROYAL CIRCLE)
3階席:グランド・サークル(GROUND CIRCLE)
4階席:バルコニー(BALCONY)
3階席のグランド・サークルからの景色はこんな感じです。
座席部分はこじんまりとした印象です。傾斜があり、階段を降りるときは気を付けないといけません。
我々の今回の座席、3階席の”Grand Circle”の上には‘Balcony席が見えます。
舞台間近横には何やら特別な雰囲気の席が…(;’∀’)
座席は細かく10段階くらいに分けれています。一番チケット代が安いバルコニー席(22£)から、舞台を間近で観ることができる1階席の舞台正面席(165£)まで幅広い価格帯です。
豪華な内装、壁の装飾が美しいです。
天井も綺麗です。照明のおかげもあってか、きらびやかな印象です。
座席の後部には飲み物・軽食を販売しているバーがありました。ビール、ウイスキー、ジン、シャンパン、カクテルなど種類豊富なお酒が販売されています。
お酒を飲みながらオペラ鑑賞って、なんて贅沢なんでしょう…(*_*;
バー近くのブースで立ち飲みすることもできるようです。
レゴブロックで劇場を再現したものがありました。
飲み物(ワイン)も準備して、オペラ鑑賞の準備は万端!開演です。
女性のお手洗いはかなり混雑するため、時間に余裕をもって行っておくことをおすすめします。
オペラは初体験の我々夫婦。お芝居と生演奏、そして3階席の奥にいてもド迫力の歌声に圧倒されました!(;’∀’)
会場の全方位にあるたくさんのスピーカーがあり、怪人の声が聞こえるシーンではまるで怪人が会場をグルグルと回っているように感じました。
閉演後の会場は、作中に登場するあのシャンデリアが天井の位置に。シャンデリアの存在感、照明もあってか開演前とはまた違った雰囲気になりました。
きらびやかな舞台をバックに記念撮影する人ばかり。
観客がいなくなって座席の様子がよくわかるようになりました。日本の映画館と変わらないくらいの座席の幅。
1階席:ストールズ(STALLS)
背伸びして、1階席ストールズの真横にある、まるで貴族が座るようなボックス席でも観覧してきました!
「オペラ・ボックス・エクスペリエンス(Opera Box Experience)」の特典付きで、チケット料金は1人137ポンドでした。
オペラ・ボックス・エクスペリエンス(Opera Box Experience)の内容は以下の通り。
- シアターホストのお迎えと、ボックス席への案内
- ショープログラム付き(ショップで買うと7.5ポンド)
- 1人あたりハーフボトルシャンパン(フルボトルをショップで買うと80ポンド)
- 到着時の軽食
- 途中休憩時のアイスクリーム(ショップで買うと5ポンド)
- 特典の人が利用できるロイヤルルームとトイレあり
- 座席で飲み物を注文&持ってきてもらえるので、わざわざ混雑するカウンターへ行かなくてもいい
これだけの特典付きで137ポンド/人。1階席真正面の席だと、席だけで120ポンド/人しますので、意外とボックス席の方がお得?かもしれませんね。
通常通り、1階席のお客さんのための行列に並ぶと、
赤いジャケットを着たシアターホストが「お客様の中に優先席・ボックスエクスペリエンスの方はいらっしゃいませんか?」と声かけをされており、
緊張しながら名乗りを上げると、行列をすっとばして優先入場&丁寧にボックス席まで案内してくれました!
ボックス席を堪能するため、早めの60分前くらいに到着すると既にこの行列(;’∀’)
ボックス席のチケットがあれば、寒空の中この行列に並び続けることなく、優先入場できる利点があるのですね。
優先入場して、まず目に入るのはグッズ売り場です。
古い劇場のせいか、お客さんの数に対して、グッズ売り場が小さいです(*_*)
そのため、売り場付近はだいたい混雑しています。他のお客さんが入場する前にここに来ることができるため、ゆっくり買い物したい人にとっては嬉しいですね。
当日の出演者情報は入口に掲示されています。
ロイヤルボックス席へ。
ボックス席からの景色はこちら。
オーケストラ席がよく見えます!開演前に練習している演奏者を見学できます。
客席の方はこのような景色。こう見ると2階席の天井はかなり低いですね(;’∀’)
ボックス席には、シャンパン・軽食・ショープログラム・手紙が準備されていました。
シャンパンボトルは、バーで注文すると80ポンドもします。
席に案内されたタイミングで、途中休憩のインターバルで食べるアイスクリームの味を聞かれます。アイスクリームの種類は、バニラ・チョコレート・ストロベリー・レモンシャーベット・キャラメルの5種類から選べます。
シャンパンを飲みながら開演をゆっくり待つなんて…貴族のような贅沢です(*_*)
かつての英国貴族はこんな贅沢をしていたのか…(*_*;
バーで注文したものをボックス席でゆっくり楽しむことも可能です。バーのメニューはこちら。
「オペラ座の怪人」にちなんだカクテルがあったので、注文してみました。
写真左が”Red Death Royale”、写真右が”Masquarade Mojito”。ちゃんと美味しいです!
開演間近になり、席が埋まってきました!
1階席と2階席の間に、モニターがありました。
こちらのモニターには、舞台下のオーケストラ指揮者が映るようになっており、演者は音楽に合わせてパフォーマンスすることができるようになっていました。
1階席に座らないとわからない発見ですね!
途中休憩の時間になると、扉の前でスタンバイしていたスタッフさんがすぐにアイスクリームを運んできてくれました。
ハーゲンダッツばりに美味しいアイスクリームです。売店で買うと、一つ5ポンド。納得の美味しさです。
ボックス席のすぐ隣には、ロイヤルルームという名の部屋がありました。
中はちょっとしたソファ・テーブルがある休憩部屋になっていました。
なによりありがたいのは、専用のトイレがあることです!
開演前・休憩時間・閉演後の女子トイレは大混雑します( ;∀;)
私(妻)はおトイレが近いので、これは嬉しかったです。安心してたくさんお酒を飲むことができます!
こちらのカーテンコールの写真を見てもらうとわかるように、1階席からだと役者さんの演技・表情がよーく見えます!
良かった点は、なにより演出・演技を間近で観ることができ、臨場感がある所です!
シャンデリアが天井へ昇っていく&落ちてくるシーンは、真横から見ると仕組みがよく見えて楽しかったです!
また、劇中で火炎放射を使った演出があります。
日本だったら消防法にひっかかりそうなほど、炎が出てくるので、今回のステージにより近いボックス席では、その炎の熱さをしっかりと感じました(;’∀’)(笑)
さらに、役者の表情がよーく見えるので、ファントムの表情・演技がかなり気持ち悪くて最高(?)でした!
クリスティーヌがファントムのために歌うシーンでは、クリスティーヌの歌声を聞いたファントムは恍惚の表情(;’∀’)
悦に浸って気持ち良い表情をしていて、ヒィィ( ;∀;)となりました。
1階席の近くでファントムを見てから、少しファントムが嫌いになりました…(*_*;
こう思わせる役者さんの演技はすごいですね。
唯一残念だった点は、席の場所がステージの間近・横であるため、一部よく見えないシーンがあるところです。
かなり角度が付いていますので、ステージ右側・写真手前の部分は隠れてしまいよく見えません。
今回のステージ右側ボックス席だと、「マスカレードのシーンの階段部分」があまり見えませんでした(;’∀’)このシーンは、真正面の席から見た方が迫力がありますかね…。
逆に、近くだからこそよく見えるシーンもありますので、メリット・デメリットはとんとんでしょうか。
初回は正面の席で観覧して全体感をつかみ、2回目は今回のボックス席のような角度がついた席から見ると、違った気づきがあって楽しいのかもしれません(^^♪
ショップ
閉演後のお土産売り場、こちらも美しいです。劇場はどこを見てもキラキラ、豪華な装飾ですね。
オペラ座の怪人のパンフレット・マグカップ・水筒など、ファントムの仮面のロゴが入ったお土産がたくさん販売されていました。
暗くなりライトアップされた劇場。夜見るとまた違った印象です。
劇場からの帰り道に、この面白いパブの立て看板を発見。どちらに分岐しても「飲んでいけよ!」もなるガバガバチャート…(;’∀’)
1杯飲んで帰ることにしました。
Mulled wine(マルドワイン)、またはグリューワイン。
赤ワインにシナモンやクローブなどのスパイス、蜂蜜やオレンジなどを加えて煮込んだホットワインです。ヨーロッパのクリスマスの頃の伝統的な飲み物です。
飲みながら、オペラ座の怪人の感想で盛り上がります(^^♪
まだ11月でしたが、パブはすっかりクリスマスの雰囲気ですね。
劇団四季の「オペラ座の怪人」よりは、チケットは取りやすいかなぁと思います。
一度は本場のハー・マジェスティーズ・シアター(Her Majesty’s Theatre)で、観てみたい「オペラ座の怪人」。ロンドン観光の際はぜひお立ち寄りください♪
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