無停止杼換式豊田自動織機(G型)
1896年に日本で初めて力織機を製造した豊田佐吉が、20年以上にわたって改良を重ねたもの。
世界で初めて自動杼換装置を搭載し、連続高速運転を可能にした織機です。これにより、1台の織機の効率が上がり、1人の作業者でより多くの織機を担当できるようになり、生産コストを大幅に削減することができました。
1929年には、豊田式織機は欧米で販売されるようになり、当時世界一の繊維機械メーカーであったプラット・ブラザーズ社と、自動織機の特許権譲渡契約を締結しました。
織機事業で得た利益とプラット社からのライセンス料を元手に、豊田は息子の喜一郎とともに豊田自動織機株式会社を設立しました。
T型フォード
アメリカ合衆国のフォード・モーター社が開発・製造した自動車。
ベルトコンベアによる流れ作業方式をはじめとした、近代化された大量生産技術を全面に適用して製造されました。これにより、自動車をシンプルで手頃な価格なものとしました。
1908年から1927年の間に、フォードは1500万台以上のT型を生産し、1919年までにイギリスの道路を走る車の40%以上を占めるようになりました。
クリックとワトソンのDNAモデル
DNAは、生物の遺伝を決定する「設計図」。しかし、1953年にワトソンとクリックがこのDNAモデルを考案するまで、どのように機能しているのかは明らかになっていませんでした。
このDNAの構造によって、細胞が分裂する際に遺伝物質が忠実にコピーされる仕組みや、細胞の構造と機能を伝える仕組みが説明されました。
クリックとワトソンは、二重らせん構造を考え、分子がどのように分裂して、全く同じコピーを2つ作ることができるかを示すと同時に、分子がどのように遺伝子のメッセージを伝えるかを示唆しました。
このモデルは、二重らせんの「はしご」が化学塩基(アデニン、チミン、グアニン、シトシン)のペアでできていることを示しました。
1961年までに、科学者たちは、どのようにアミノ酸が組み立てられ、作られるタンパク質の種類を決定されているのかを解明しました。
1953年3月、キャベンディッシュ研究所で作られた模型と一緒に写るフランシス・クリック(右)とジェームズ・ワトソン(左)。
1953年4月25日付の『ネイチャー』誌。
セシウム原子時計
1955年に開発された原子時計です。
セシウム原子の安定した振動を利用するというこの設計は、物理学者イジドール・イザーク・ラービによって提案されました。
1955年には、300年に1秒の誤差という精度を持つ時計を開発しました。これが、世界中の研究所にある原子時計の結果を平均して時刻を決めるという、現在の国際的なシステムへとつながっていきました。
原子時計への移行は、(1754年にカントが提唱したように)地球そのものが完全なタイムキーパーではないことを強調するものでした。地球の運動が変化するため、「うるう秒」を追加して、太陽系の1日と時計を一致させています。
セクションミニ
1959年に発表されたBMCミニは、ユニークな自動車デザインでした。
このミニは、1959年のモーターショーで発表するために用意されたもの。デザイナーのアレック・イシゴニスが、わずか10フィート(3.04m)の車体に、これほどの広いスペースを確保した設計をしたことがわかります。
エンジンを横向きにし、ギアボックスなどと一体化させたことが成功のカギとなりました。
デザイン面でも大きな影響を与え、やがてコンパクトな横置きフロントエンジンレイアウトは、各メーカーの小型車の標準となりました。
ロング・ナウ時計のプロトタイプ
長期にわたって存続する文化施設・文化機関の種になることを目指しているロング・ナウ協会(Long Now Foundation)。
協会は「一万年の間、最小限の人間の力で動作する時計」として、この時計を製作しました。
最終的には、この時計を大幅に拡大した、建築的なスケールの巨大なメカニズムとなり、来場者がその中を歩けるほどの大きさになるそうです。アメリカのネバダ州東部の国立公園の近く、石灰岩の崖をくりぬいた部屋に設置される予定。
この時計は、摩耗を減らすために、ゆっくりと回転するねじり振り子を使用し、時計は30秒に一度しか動きません。
定期的に巻き戻される重りの落下によって駆動します。実物大の例では、来場者の足音や気温の変化によるエネルギーで動くことになるそうです。
時計の誤差は、正午に太陽が頭上を通過するのを感知して補正する仕組みになっています。
時計の下部にある円盤の列は、時間、暦年、太陽年、世紀、月と星座の位相を数える2進数の機械式コンピュータ。これは、時計の寿命が尽きるまで、継続的に夜空のパターンを表示する時計の文字盤ディスプレイの駆動も行っています。
膨大な展示物・展示アリアがある、ロンドン科学博物館(Science Museum)。
入場料無料なので、少しずつ通って他のエリアも紹介できるようになりたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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