【英国最古のビール醸造所】シェパード・ニーム醸造所(Shepherd Neame) 見学ツアー

イギリス

 

「イングランドの庭園」といわれ、ホップの生産地として有名なケント州。

そのケント州にある英国最古のビール醸造所シェパード・ニーム醸造所Shepherd Neame Brewery)」に行ってきました。ビール「スピットファイア」で有名です。

ビール工場見学ツアー、ショップの様子など紹介します!

 

 

シェパード・ニーム醸造所(Shepherd Neame Brewery)

シェパード・ニーム醸造所英国で現存する最古のエールビール醸造所です。

ケント州の中心フェイバーシャム (Faversham)を拠点に300年以上続く英国の独立系醸造所で、1698年から伝統を守りながら上質なエールビールを造り続けています。

 

醸造しているビールの中では、ロンドンのスーパーでよく見かけるこちらのビール「スピットファイア(SPITFIRE)」が特に有名です。

 

イギリスの戦闘機「スピットファイア(SPITFIRE)」から名付けられたビールです。

大戦ではイギリス防空戦の際に活躍したため、イギリスをドイツ空軍から救った「救国戦闘機」とも呼ばれています。

第二次世界大戦ではケントにあるの空軍基地が、英独航空戦(バトルオブブリテン)で極めて重要な役割を担いました。

 

ビール紹介記事でも紹介しています。

【おすすめ海外ビール】イギリスビール紹介 ~その①~

 

 

醸造所の正式な設立は1698年となっていますが、町の記録によると1573年からすでにこの地で商業醸造を行っていたそうです。修道院の修道士たちのためにエールを製造していたとか。

1789年には、それまで馬を使っていた麦芽の粉砕と汲み上げの工程に、ロンドン以外で初めて使用されたとされる蒸気機関を導入して近代化に着手しました。

1864年に現在の社名に変更。現在は5代目が経営しています。

生産量は年間約18万樽、ケント州とロンドンを中心とした南東イングランドに320軒のパブとホテルを所有しています。

エネルギー消費を抑える最新鋭の酵母増殖プラントを導入したり、水回収プラントでは、醸造や清掃から生じる排水を排水路に流さず、再利用できるようにしたりなど、

環境に配慮しながら持続可能なビール醸造を目指しています。

 

 

見学ツアー

シェパード・ニーム醸造所の見学ツアーに参加するべく行ってきました。醸造所は、ケント、フェイバーシャム (Faversham)にあります。

ロンドンのビクトリア駅から、電車で1時間20分ほどの距離にあります。

 

フェイバーシャムは、ビール醸造の中心地としての地位を確立した街で、シェパード・ニーム醸造所は今でも街の主要雇用主となっているそうです。

 

建物、受付のあるロビーは歴史を感じる落ち着いた雰囲気です。

 

見学ツアーはいくつも種類があるようです。

見学ツアーと料理がついて32ポンドのツアーや、見学ツアーとコース料理とペアリングビールがついて60ポンドのツアーなど…

詳細は本家のホームページよりご確認ください。シェパード・ニーム醸造所ホームページ<https://www.shepherdneame.co.uk/

 

今回参加してきた見学ツアーは「‘mini’ tour」。ガイドさんと一緒に醸造所を45分見学した後、3種類のビールをテイスティングできます。料金は1人14ポンドです。

 

赤レンガの建物は1842年のもの。1908年までビール醸造の工程で使用されていました。

 

かつて多くのビール醸造所が、自社で大麦を製麦していたように、シェパード・ニームも同様に自社で製麦していたそうです。

この建物には、1600年代からのモルトキルン(大麦麦芽の乾燥を行う伝統的な設備)がありました。

現在は、シェパードニームの大麦はすべて麦芽化された状態で醸造所に運ばれています。毎年、約 4,000 トンの麦芽が当社のビールの製造に使用されています。

 

こちらの通り沿いの建物には以下のような設備があります。

醸造所を動かしていた2台の蒸気機関車があるスチームルーム、モルト・キルン、水を汲み上げる井戸、一度に400万パイントを製造する発酵槽。

 

この通りは、原料や醸造したビールの運搬のために使用され、荷車の馬車が毎日何度も行き来したそうです。壁にはその時に、馬車がぶつかってできた傷跡があります。

運搬する馬車の運転手は、輸送先のパブで飲んで帰ることが多く、飲酒運転は当たり前だったそうです(;’∀’)

 

ビール醸造に使用する水は、醸造所の地下深くから汲み上げたアルテシアン井戸水を使用しています。

地下の地層は降雨をろ過する天然のフィルターとして機能しており、水は何年もかけて街の地下の帯水層にろ過されます。

 

Mash(麦汁)をつくるための樽であるマッシュタン、タンクなどの設備を見学。

 

ビール醸造の工程については、前回のフラーズ醸造所見学ツアー記事で詳しく紹介しています。

【英国ビール】フラーズ醸造所見学ツアー(Fuller’s Brewery Shop & Tours)

 

 

可愛らしいステンドグラスの窓がありました。収穫から出荷まで、ビールの醸造工程が描かれています。

 

ビールに苦味と香りを与えるホップは、天然の防腐剤としての役割も果たしています。

ケント州は英国で2つしかない主要なホップ生産地の1つであり、世界中の醸造家がケント州のスパイシーでペッパーな品種を高く評価しています。

特に、ケント州の代表的なホップであるイーストケントゴールディングは、テロワールの特徴を保護するためにPDO(Protected Designation of Origin:伝統的な方法で「生産、加工、調理」された製品)の保護を受けています。

 

 

ステンレス製のビール樽。

同じ樽ビールと言えど、2種類あることをご存知でしょうか?

カスク(Cask)とケグ(Keg)について、こちらの記事で詳しく紹介しています。

【樽ビール】カスク(Cask)とケグ(Keg)の違いとは?