スコットランド・エディンバラの港にあるクラフトビール醸造所「Pilot」。
地元に愛され、地元のレストラン・パブで提供されている地ビールです。そんなパイロット醸造所のビール工場見学ツアーに参加してきました。
工場見学の内容、試飲、料金、期間限定ビールなど、写真と共に紹介します!
エディンバラの港地区「リース(Leith)」
スコットランド・エディンバラ北部にある港湾地区「リース(Leith)」。エディンバラ中心地から車で15分ほどの場所にあります。
スコットランドの主要貿易港であり、かつては造船業や捕鯨業、ワイン・ウイスキーの保税倉庫などの産業が盛んでした。また、大きなクルーズ船や、英国王室の船「ロイヤル・ヨット・ブリタニア号」の寄港地でもありました。
エリザベス女王が愛したというロイヤル・ヨット・ブリタニア号。現在は博物館として一般公開されています。
かつては観光地としての魅力が無かったリース地域も、今ではウォーターフロントのシーフードレストランや伝統的なパブが立ち並んでいます。
港らしく、豪華なキャビン・デッキを備えたフローティング・ホテルなんてものもあります。
豪華船ホテルの宿泊記はこちらの記事で紹介しています↓
【ビール醸造所】「Pilot Beer」見学ツアー
2011年創業のマイクロブルワリー「Pilot Beer(パイロット・ビア)」。
大学時代に醸造・蒸留の修士課程で出会った、マット・ジョンソンとパトリック・ジョーンズの2人によって立ち上げられたビール醸造所会社です。
醸造からブランディング、樽詰めから缶詰製造、販売からソーシャルメディアに至るまで、パイロットは創業当初からすべて自社で行っています。
飲みやすさを第一に考え、風味を前面に押し出したビール造りにこだわっているそう。
パイロット醸造所のビールは、地元リースの数多くのレストランやパブに卸されています。
ケグから専用グラスに注がれたビールは、缶ビールとはまた違った美味しさがありますね(^^♪
エディンバラ旅行記「レストラン・バー」紹介はこちらの記事に↓
パイロット醸造所の「ビール醸造所見学ツアー&ビールテイスティング(BEER TOUR & TASTING )」は、毎週土曜日に開催されています。
料金は1人25ポンド、所要時間は約1時間半でした。
Youtube動画でも紹介しています。
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ビール醸造所は、タイ・ボクシングジムとガラス会社のお隣にあります。
白と緑色のカラーデザイン。
なんだこの既視感……キムワイプだ!(;’∀’)
キムワイプと申します。
以後お見知りおきを。 pic.twitter.com/X43Snd99aa— キムワイプ (@kimwipes_crecia) November 7, 2023
理系学生ならお世話になったことがあるであろうキムワイプ。なんだか親近感が湧いてきました。
醸造所兼事務所の中には、ビール・オリジナルグッズを販売するショップもありました。
冷蔵庫には期間限定のビール銘柄も。ロンドンのスーパーでは手に入らない、ここでしか買えないビールがあるのが魅力的です。
1ダース単位で缶ビールを買うことも可能。
石けんやキャンドル、ソースやピクルスなど。
パーカー、シャツ、帽子なども。
参加者が集まったところで、いよいよビール醸造所見学がスタート。
ガイドスタッフさんに案内され、醸造エリアへ。
なんで天井にミラーボールがあるのだろうか…(*_*;
箱詰めされたパイロットの缶ビールが積み上げられています。
これはもうキムワイプに寄せてきてる(;’∀’)
工場の広さは、テニスコート2.5面分ぐらい?でした。マイクロブルワリーと呼ばれる小規模なクラフトビール醸造所ですね。
素人の感想でいうと「こんな小さい規模でも、立派にクラフトビールを製造できるものなのかー」と感心しました。
元々ビール醸造所で働いていた人が独立してブルワリーを起業したり、脱サラした人が廃業したビール醸造所を引き取って起業したりと、イギリスでは小規模なクラフトビール醸造所がたくさんあります。
イギリスには、2,000のビール醸造所があり、今後も増えていく見込みだとか。
原料であるモルト(麦芽)やホップが、袋に入ったまま大量に置かれています。
粉状に砕いたホップを圧縮した「ペレットホップ」。華やかなビールのあの香りがします。
積み上げられた、ビールを充填するケグ缶。
同じ樽ビールと言えど、2種類あることをご存知でしょうか?
カスク(Cask)とケグ(Keg)についてはこちらの記事で紹介しています↓
工場内を歩きながら、原料の紹介に始まり、ビール造りの工程の説明をしてくれます。
「ミリング(麦芽粉砕)・仕込み」⇒「発酵」⇒「貯酒」⇒「充填」⇒「パッケージ」
最近新しくなったという、缶にビールを充填する装置。箱詰めまでこちらで行っています。
大量生産しているビール醸造所ともなると、製造したビールを充填するために、トラックや船に乗せて他国の工場に運ばれることも少なくありません。
その点、こちらのパイロット醸造所は、一か所で全ての工程を完了させ、サステナビリティ経営に取り組んでいるとのこと。
さて、お待ちかねのビールテイスティング。参加者のビール好きなおじさんたちのテンション爆上げです。
まず最初はペールラガー(ピルスナー)スタイルの「LEITH LAGER」。
「LEITH LAGER」は、アルコール度数4.1%、無濾過のペールラガーです。
風味と飲みやすさの完璧なバランスを持つクラシックなピルスナースタイルのラガー。地元リースの名を冠するように、缶のラベルには地元リースの街並み・風景がデザインされています。
続いての試飲は「VIENNA PALE」。
「VIENNA PALE」は、アルコール度数4.6%の、古典的なウィーン・ラガーとアメリカン・ペールの中間のような味わいのビール。
麦の甘味を感じるビールです。ステーキやロースト肉など、お肉料理とのペアリングがおすすめとのこと。
続いて、「BLØND」。
「BLØND」は、アルコール度数4.0%の、セッションIPAです。
麦芽をたっぷり使った飲みやすい味わいで、モザイクホップとギャラクシーホップを使用しておりグレープフルーツ・トロピカルフルーツのような香りが特徴的です。
小麦ビール(白ビール)のような濁った見た目をしています。
続いて「IPA」。
「IPA」は、アルコール度数5.2%のアメリカンIPAです。
パイナップル、ピンクグレープフルーツの香りいっぱいのジューシーな味わいのIPA。アメリカンホップがたっぷりのビールです。
濁った見た目のビールです。
ビールの濾過に使用される清澄剤は、魚(チョウザメなど)の浮き袋を精製して乾燥したもの(アイシングラス)です。そのため、清澄剤が使用されたビールは、ベジタリアン(菜食主義)の方は避けるのだとか。
こちらのパイロット醸造所のビールは、時間をかけて澄ませることで濾過しており清澄剤を使用していないため、ベジタリアンの方も飲むことができるビールです。
続いて「Hush Hush」。
アルコール度数4.8%のペールエール。
エディンバラにあるパブ・バーのために特別に醸造されたという期間限定ビールなのだそうです。麦芽はピルスナーモルトとライトクリスタルモルトを、ホップはスケードホップやシトラホップなどを使用。フルーティーな香りです。
こういった期間限定・少量生産のビールも、すぐに作れてしまうのはマイクロブルワリーの良い所でしょうか。
大規模なビール工場とはまた違った面白さがあります。
1845年創業の英国ビール醸造所「フラーズ醸造所(Fuller’s Brewery)」見学ブログ記事↓
5種類のビールをテイスティングさせてもらえました。
Youtube動画でも紹介しています。
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見学ツアーの開始が遅れたことにより、見学ツアー後の予定の時間にギリギリの時間となってしまったため、スタッフさんにタクシーの手配をお願いすることに。快く対応いただき、無事に次の予定に間に合いました。
美味しいビールだけでなく、スタッフさんの親切な対応にも感動しました!
地元のレストラン・パブ・バーで、よく見かけるパイロット醸造所のビール。
ぜひ、エディンバラ旅行の際は飲んでみてください(^^)/
購入したビール・感想
ショップで販売されていたビールをいくつか購入してみました。
期間限定販売の「Hibs25 Lager」。
アルコール度数4.1%のラガービール。
こちらのビールは、エディンバラを拠点とする女子サッカーチーム「Hibernian Women(ハイバーニアンWFC)」の、25周年を記念して特別に醸造されました。
缶のラベルは、チームのイメージカラーであるグリーンでデザインされています。
「BA NEW YORK SOUR」。
アルコール度数10.5%のフルーツサワーです。
こちらは、エディンバラにある受賞歴のあるバー「Panda & Sons」とのコラボ商品で期間限定醸造のビールなのだそう。
淡い酸味のあるビールを、バーボン樽で12か月熟成させ、仕上げにブドウ果汁・レモン果汁・シャンパン酵母を加えたサワー。複雑で酸味があり、タンニンが効いていてピリッと辛く、バーボン樽香を感じる商品です。
「Reputational Laundering」
アルコール度数8.0%のIPAです。インペリアルIPAで、アルコール分が高めで甘味とコクがしっかりとしています。
こちらも限定販売のビール。マンチェスターにあるビール醸造所「Sureshot Brewing」とのコラボ商品です。
「Mandarin And Thyme Sour」
アルコール度数5.3%のフルーツサワーです。
こちらも期間限定販売のビール。マンダリンオレンジと、ハーブのタイムの香りが特徴的。ピリッとしたオレンジの皮を使用した、爽やかでありながら心地よいサワービールです。
「The Whole Shebang」
アルコール度数5.0%のレモンサワーIPA。
こちらも限定販売商品かつコラボ商品です。フィラデルフィア・バーダント酵母、ギャラクシーホップ、モザイクホップを使用。フレッシュなサワーIPAで、レモンの苦味を感じます。
そして、醸造所見学ツアーのテイスティングで飲んだこちら。美味しかったので1缶購入しました。
ビールスタイルもアルコール度数も、幅広い種類を醸造している小規模なクラフトビール醸造所「パイロット醸造所」。
安定の美味しさのレギュラー製造のビールはもちろん、定期的にいくつもリリースされる期間限定ビールも楽しいです。
エディンバラ旅行の際はぜひ、パイロットのビールをご賞味ください(^^)/
その他、イギリスのビール関連ブログ記事↓
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